忍者ブログ
ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
<< 09  2025/10  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    11 >>
[64]  [63]  [62]  [61]  [60]  [59]  [58]  [57]  [56]  [55]  [54
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


収納する時は、だいぶ修正するかもしれませんが^_^;

もじもじ皇子シリーズ「もじもじ皇子と広い背中4」

・秘密の縁談 前半の続き

・もじもじ皇子がちっとももじもじしていません。


それでもよろしければ!




もじもじ皇子広い背中4 ~秘密縁談 後半~


アリエス離宮に帰ると、真っ先に主の姿を探したジノだったが、ルルーシュ皇子の姿は部屋にはなかった。庭園にでもいるのだろうかと外に出ようとした時、ふと皇子の私室の隣にある自分の部屋から微かな物音が聞こえた気がして、自室へと足を向けた。そして扉を静かに開けて目に飛び込んできた光景は、ジノの顔に慈しむような笑みを浮かべさせるには十二分だった。
 
 
「ルルーシュ様、起きて下さい。風邪を召されますよ。」
 
ジノのベッドで艶やかな黒髪を真っ白なシーツに散らしながらうつ伏せに寝ていたのは、ジノの主その人だった。
 
「ん・・・。ジノ・・・!!」
 
優しく肩を叩かれムクリと痩身を起こした皇子は、ジノの姿をその深い光を放つ紫色の瞳で認めると、生き別れになった恋人と何十年ぶりに再会を果たしたかのように強くジノの広い背中に手を回した。皇子がジノに抱きつくのは日常茶飯事のことだが、これほどの勢いと強さは最近では滅多にないことなので、ジノは少し驚いた。
 
「どうなさいました?何か嫌なことでもありましたか?」
 
己の不在中に不敬な輩にでも会ったのだろうかと心配するが、ふるふると形の良い頭が横に振れる。こういう時は主が口を開くまでじっと待てばいいということを熟知している騎士候補は、皇子の声が聞こえてくるまで気長に待つ。しばらくすると、少し掠れた声が躊躇いがちに聞こえてきた。
 
「ジノが・・・もう帰ってこないんじゃないかって・・・。そんなことあるはずないって信じていたけど、でも公爵になったら、わざわざ俺の騎士でいる必要もないって、そう考えたらたまらなくなった・・・。」
 
ジノは皇子の意外な言葉に驚いた。
 
「知っておられたのですか?私の縁談のことを。」
 
「ああ。お前の母君から先日手紙を頂いてな。ジノの将来にとって大変素晴らしい縁談だから、俺からもぜひ勧めて欲しいと。」
 
あの女は、とため息を吐くと、腕の中の華奢な肩がビクリと震えた。
 
「すまない、ジノ。」
 
「何故ルルーシュ様が謝られるのですか?むしろ母が失礼なことをしてしまい、謝罪するのは私の方です。」
 
「お前が謝ることなんて何もない。・・・俺は狡いんだ。仮にも主ならばお前の幸せを祝福しなくてはならないのに、喜ぶべきことなのに、ちっとも嬉しくなくて。こんなの主として失格だよな。」
 
しょんぼりと顔を伏せる皇子の声は酷く頼りなさげで、ジノは堪らず腕に力を込めた。
 
「ルルーシュ様は何か誤解しておられるようですね。」
 
細い身体を抱きなおし、幼い頃よくしたように己の膝の上に皇子をちょこんと乗せ、潤む紫色の瞳を真っすぐに見つめる。
 
「私が私らしくいられるのは貴方がいて下さるから。私の幸せは結婚をしたり、公爵になって悠々自適に暮らしたりすることではなく、こうして貴方の隣にいられること。そのために私は貴方の騎士になりたい。いつでも、いつまでも貴方を守り、傍にいられるように。」
 
陶器のように滑らかな皇子の白い頬はジノの言葉でほんのりと桜色に染まった。
照れて瞳を逸らした皇子は、しかしすぐに視線を戻し空色の瞳に強い眼差しを送ると、ジノの膝からスクリと立ち上がった。
ピンと背筋を伸ばした皇子は背後の窓から差し込む光を背負い、皇子というよりも皇帝のような威厳を漂わせ、右手を座り込んだジノに優雅に差し出した。
すぐに主の意図を察したジノはスッと膝を折り、皇子の手の甲に恭しくキスを落とした。
 
「俺の騎士はお前だけだ、ジノ。」
 
ジノが言葉を返そうとしたその時、ジノの唇に柔らかなモノが押し当てられた。
 
「お前は、俺の、だからなっ!」
 
大きく見開いた水色の瞳に映ったのは、顔を真っ赤にさせながら部屋を飛び出して行く皇子の姿。
 
 
騎士候補の青年が、いつもは己の広い背中に隠すほっそりとした主の身体を正面から抱きしめて、甘いキスを贈るまであと数十秒。




これはルルサイドを書くべきなんでしょうか?
一応補足しますと、
ルルはジノが実家から呼び出された時に、縁談の話だと気がついていました。
ジノの部屋で寝ていたのは、心細くなってジノのベッドでゴロゴロしていたらいつの間にか安心して寝てしまったウッカリーしゅだからですw
多分唇へのキスは初めてだと思います。
もじもじ要素が少なくて・・・。
ジノの前では強気でも人前に出れば、もじもじ皇子になりますw
いつものようにジノの背中に隠れてしまいます\(^o^)/
 

PR
夢を叶える名言集


presented by 地球の名言
カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
ともき
性別:
女性
自己紹介:
・ルル/ー/シュ至上
・ルル/ー/シュ中毒
・一人でいる時はほとんど音楽を聴いています。
・海外に行くのが大好き。
応援しています!

Copyright (c)光のメロディーに耳を澄ませて All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by Pearl Box  Template by tsukika


忍者ブログ [PR]