・ギアスなし一期スザルル+ユフィ
・スザクはユフィの騎士
・スザユフィ表現あり
・悲恋
こんな感じでもよろしければ!
・スザクはユフィの騎士
・スザユフィ表現あり
・悲恋
こんな感じでもよろしければ!
それは本当にたった一瞬の出来事だった。
そのたった一瞬で僕らの運命は変わってしまった。
「大丈夫だよ、ユフィ、ルルーシュ。もうすぐ軍が来るから。」
「でもスザク、さっき連れていかれた方たちは大丈夫かしら?やっぱり私が出るべきだったのではないでしょうか?」
「いや、スザクが正しい。ユフィが名乗り出て交渉するよりも、軍が来るのを待ったほうが誰にとってもリスクは少ない。副総督が緊急ボタンを押したとなれば、すぐに軍は動くはずだからな。」
「そういうことだから安心して、ユフィ。大丈夫、二人とも僕が守るから。」
大 丈夫 二人 とも 僕が 守る から
「千羽鶴作ってるの?」
冬の薄い日差しが差し込む暖房のよく効いた暖かな部屋で一心に折り紙を折ってるルルーシュに声をかけると、ルルーシュはパっと顔を上げると不思議そうにスザクを見つめた。
その視線に気がつかないふりをして、ルルーシュの細い指に捕まっているピンク色の鶴を取り上げる。
「綺麗に作ったね。昔から器用なところは変わらないんだ。」
きっちりと折られた折り目をなぞっていると、白い腕が伸びて乱暴にスザクの手から鶴を奪い返す。せっかく綺麗に羽を広げていた鶴は、くしゃりと折れてしまった。
「誰だ、お前。」
キツク睨む紫色の双眸にスザクはもう何度目になるかわらない同じ台詞を返した。
「僕だよ、スザクだ。」
「おい、お前今何て言った!?こっちに来い!!」
「おやめなさい!私は神聖ブリタニア帝国第さ・・・!」
「そんな女よりも私の方が人質の価値はあるぞ。」
「何だと?たかが学生風情にどんな価値があると?」
「私は第11皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。嘘だと疑うならばコーネリア姉上に連絡をとればいいだろう、死んだはずの義弟が生きているとな。」
「ルルーシュ!!何てことを!」
「お前は黙っていなさい、ユー・・リア。使用人が口を出す幕じゃないんだ。」
「まあいい。とりあえずそこの女も一緒にリーダーの所へ連れていく。来い。」
腕を掴まれて引っ張られるルルーシュの口が微かに動いた。
“待っていろ”と。タイミングを見て動けと言いたいのだろうと察したスザクは頷いた。
“必ず助けるから”と気持ちを込めて。
必 ず 助け る か ら
「僕だよ、スザクだ。君の幼馴染だよ。ほら確かめてごらん?」
なるべく刺激しないようにそっとルルーシュのポケットを指さす。
ルルーシュは警戒しながらポケットに手を伸ばし、中から折りたたまれた紙を取り出した。
それを大きく広げ、上から目を通していく。
「スザク・・・。枢木スザク。俺の幼馴染。」
「うん、そうだよ。思い出してくれた?」
「いや、悪いが覚えていないんだ。この紙によると俺は記憶障害らしい。すまないな。」
「ううん、気にしないで。・・・今日は、ルルーシュが一昨日食べたいって言ってた店のプリンを買ってきたよ。」
持ってきた箱を開けてみせると、ルルーシュは困ったように少し目を伏せた。長い睫毛が陶磁器のように白く滑らかな頬に濃い影を作り、酷く儚げな様子が胸に痛かった。
「すまない、覚えていなくて。」
「ルルーシュが謝ることじゃないんだ。ほら、いいから食べてみて。」
スプーンを差し出すと大人しくプリンを食べ始めたルルーシュは、何口か食べると照れくさそうに頬を薄く染めながら目線は合わせることなくスザクにスプーンを突き出した。
「う、美味いからお前も食べてみろ。」
その態度はまさしくスザクが知るかつてのルルーシュそのもので、スザクは一瞬ドキリと胸が高鳴ったが、すぐにそれはただの幻想だと自分を戒めた。
「じゃあまずは皇子様の使用人から落ちてもらおうか。そうしたら向こうの確認作業も早くなるのではないかな?あんまり遅くなるようなら次は皇子様に落ちてもらわなければならなくなるだけだがな。」
「きゃっ!」
「この子に触るな!!」
「貴様!・・・ひ弱な皇子様だと侮っていたら、案外やるじゃないか。この血の代償は高くつぞ。ほら、二人まとめてこっちに来い!!」
「やめろ、この子は関係ない!」
「ユフィー!ルルーシュ!!」
「スザク!早くユフィを!」
「何だ、お前は!?廊下の奴らは何をやっていたん・・・ぐっ!!」
「二人とも怪我はない?」
「ああ、大丈夫だ。それにしてまさかお前一人で見張りを全員倒したのか?さすが体力馬鹿だな。」
「頑張って助けたのにその言い草は酷いなぁ。でも本当に無事でよかった。ユフィもルルーシュも無茶しすぎだよ。」
「終わりよければ全てよし、だ。それに俺は信じていたからな、スザクが助けに来てくれるって。」
「僕も信じてたよ、二人とも絶対助けるんだって。」
二人と も絶対 助け るん だ って
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