下北で食べた抹茶白玉のタイヤキが美味しかったです\(^o^)/
ウマウマ。
・スザク×留学生ルル
・特にヤマもなければオチもありません。
こんな感じでもよろしければ!
「それでさ・・・、ってルルーシュ?」
ブリタニアから日本に留学してきたばかりの友人と初めて家路を共にしているスザクはご機嫌で話をしていたのだが、ふと隣を歩く秀麗な顔を見ると友人はスザクの話など耳に入っていない様子で道の先に熱心な視線を送っている。
「どうかした?」
覗き込むようにして無理矢理視線を合わせれば、ルルーシュはハッとしてスザクの顔を見た。
「すまない。何でもないんだ。」
「そう?ならいいんだけど。」
首を傾げながらスザクはすぐに話を続けたが、足を進めていくと何やら仄かに甘い香りが漂ってきた。
「あっ、懐かしいなぁ。こんな所に新しく出来たんだ。」
香りの元は白い外観が可愛らしいお店だった。
「ね、食べない?ルルーシュ。」
「これは何だ?魚の形をしているが・・・。」
「ルルーシュ知らないんだ。まぁそれはそうか。これは、タイヤキっていうんだよ。」
「鯛?焼き?」
「いや、鯛焼きであることには間違いないんだけど、これは甘いお菓子。中には大体あんこが入ってるんだけど、このお店は種類がいっぱいあるよ!ほら、りんごカスタードとか黒ゴマ胡桃なんてのもあるみたい。あ、もしかしてルルーシュ甘いの苦手?」
真剣にじっとメニューを見つめるルルーシュに心配になって聞いてみた。
ルルーシュは見かけは男らしい所など一つもないが、そのくせ童話から飛び出してきた王子のように高貴な雰囲気を持っているから、もしかして甘いものなど食べないのだろうかと勝手なイメージから質問すると、顔を僅かに逸らした彼からは小さな声が返ってきた。
「に、苦手ではない。」
よくよく見ると、艶やかな黒髪がかけられた白い耳は朱に染まっているものだから、スザクは笑いを堪えて頷いた。
「良かった。じゃあ、せっかくだから食べてみなよ。読めない漢字があったら言ってね。」
タイヤキも知らない留学生を気遣ってスザクなりの親切心で言ったのだが、相手はフンと鼻を鳴らし右眉を器用に釣り上げた。
「馬鹿にするな。俺に読めない漢字などあるはずがないだろう。」
「そ、そう?ならいいんだけど。」
偉そうな態度をとっておきながら、ルルーシュの視線は店員が焼いているタイヤキに子供のように夢中に釘つけになっているからスザクは苦笑した。
「じゃあ、俺はこれにする。」
白魚のような整った指先が指したのは、抹茶白玉だった。
ルルーシュの顔からは想像していなかったチョイスに、てっきり可愛らしくカスタードとかを選ぶと思っていたスザクは何となく期待を外されたような気がした。
「・・・意外に渋いの選んだね。僕は焼き芋餡にするよ。」
それぞれに注文をしタイヤキを受け取り、近くにある公園のベンチで並んで食べる。
スザクはいつも通り歩きながら食べる予定だったのだが、ルルーシュに行儀が悪いと叱られ、座って食べられる場所を探した結果だった。
「う~ん、どっちから食べようかな。ルルーシュは?」
「どっちってどういう意味だ?」
「頭から食べるか、尾から食べるかってことだよ。」
「どっちでも味は変わらないだろう。」
酷く現実的なことを言って男らしく思い切り口を開けたルルーシュに苦笑する。
「まあね。でも、頭から食べると頭が良くなって、尾から食べると足が速くなるって言われているんだよ。」
その言葉に動きを止めたルルーシュに気がつかず、スザクは手の中の魚を見つめた。
「僕はやっぱり尾からかな!」
「お前は頭からだろう。」
間髪入れず突っ込まれた。
「そういうルルーシュは尾からでしょ。明日体育で測定あるしね。」
ルルーシュが先日計った50メートル走で学年でぶっちぎりの最下位のタイムだったことを知っていたので意地悪く言って、彼の手元に目をやる。
「あれ?」
一口齧られた後がついているのは、頭ではなく尾だった。
「べ、別にお前の言うことを信じたわけではないからな!たまたまだ。でも、まあ、美味くないことはない。」
と言ってモゾモゾと小さな口でタイヤキの頭を食べたルルーシュの白桃のような頬が赤く染まっていたのは夕日のせいだけではないだろう。
(「か、可愛い・・・!!何、この生き物!!」)
スザクは焼き立てのタイヤキよりも隣のルルーシュに夢中になってしまったのは言うまでもない。
ルルは甘党だとなお可愛いと思います。
ルルは甘党だとなお可愛いと思います。
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