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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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もじもじ皇子と広い背中シリーズ5 後編

・5 前編 の続き

・年上ジノ×総受けルル

・キャラ崩壊気味

・妙に長い


こんな感じでもよろしければ!


もじもじ皇子広い背中5 後編 ~小さな君に出逢った日

結局柱に隠れてしまった皇子とそれ以降話をすることすらできずに数時間が経ち、窓の外はすっかり暗くなっていた。末っ子ゆえに自分より下の相手をしたことがないジノにはこの恐ろしく人見知りな皇子の相手はかなり難易度が高かったといえる。それでも根気強く皇子の気を引こうと頑張っていたが、ふと耳を澄ませばスピスピと微かな寝息が聞こえてきたので、ジノは一気に脱力した。
こっそりと足を忍ばせて境界線のように立ち塞がっていた柱を越えると、そこには身の丈よりも大きいテディ・ベアを抱きしめながら皇子が柱に背を預けて眠っていた。
 
(かわいい。)
 
こんなに愛らしい皇子であれば皇帝が可愛がるのもよくわかると、ジノは納得して一人頷く。実は可愛いものや小動物が大好きなので、思わずその柔らかそうな頬に手を伸ばした。しかしその丸みを帯びたラインに触れそうになった瞬間、ジノはハッと手を引いた。このどこもかしこも愛でいっぱい満たされているような身体に自分のようなものが触れてはいけないような気がしたのだ。
しかしこのままでは風邪をひいてしまうと考えていると、豪快に扉が開けられた。
 
「ルルーシュ~、どうだったかしら?」
 
跳ねるような軽い足取りでやってきたのはマリアンヌ皇妃だった。
皇妃は部屋の隅にいるジノとルルーシュを見つけると、楽しげに瞳を瞬かせた。
 
「あら珍しい。ルルーシュが初めての人の前で寝るなんて!」
 
そっとまだ目を覚まさない皇子の身体を抱きあげると、ジノを見て歌うように口を開いた。
 
「ジノ君、良かったら今日は泊まっていきなさいな。ご家族は帰ってしまわれたし、もう時間も遅くなっちゃったし。うちのご飯は美味しいわよ!一時間後に食堂に来てちょうだい。それまで好きにしてくれて構わないわ。じゃあ後で!」
 
ジノの返事など一切聞かずに言いたいことだけ言うと皇子を抱いたまま嵐のように去っていってしまった。
 
「はっ・・・?」
 
ポカンと口を開けてしまったジノを誰も責めることはできないだろう。
 
 
 
皇子の私室に主不在のままいつまでもいるわけにはいかないと、ジノは部屋を出て庭へと足を運んだ。
美しく整えられ照明に明るく照らされた歩道を歩いてしばらくすると、瀟洒な東屋に辿り着いた。真ん中に置かれた丸テーブルには優雅な曲線を描くランプが置かれており、優しく柔らかな光で中を満たしている。
何者であっても拒絶することなく迎えいれてくれるような暖かな光にジノはどこかほっと息を吐いて、フカフカなクッションが幾つも置かれた椅子に腰を下ろした。
 
「家にはもう帰ってこなくていいってことか。」
 
ポツリと言葉にするとやけに現実味を帯びてきて、ジノは目を潤ませた。
どんなに疎まれていようと、そう簡単に家族を嫌いになることなどできない。
誰にも必要とされない恐怖、愛してもらえない寂しさに胸が痛んだ。
その時。
きゅっと自分の指を握る温かな温度にジノは目を見開いた。
 
「ルルーシュ様・・・?」
 
プクプクとした小さな小さな手がジノの人差し指を握っていた。
その小さな手の持ち主は仄かに頬を桜色に染めながらジノの存在を繋ぎ止めるようにきゅっと手に力をこめた。
 
「もうすぐ・・ごはんだから、かえろう。・・・ジノ。」
 
幼年期特有の高い澄んだ声が綿あめのように甘くジノの内側に沁み込んでいった。
ただ語彙が少なかったからそう言ったのかもしれない。
誰にでも言っている言葉かもしれない。
そうだとしてもこの時のジノは胸が締め付けられるほどに嬉しかった。
大変な人見知りな皇子が自分に近づいてくれたことが、僅かであっても自分を受け入れてくれる人がいてくれることが、嬉しかった。
 
「はい・・・!!」
 
じっとこちらを見つめてくる深い紫色の瞳をしっかりと見つめ返し、ジノは花が咲いたように満面の笑顔を顔いっぱいに浮かべた。
そんなジノの顔を見て、皇子もニコリと笑った。
その可愛らしさといったら言葉にならないほどだった。
 
(か、かわいすぎる!!)
 
うっかり皇子を抱きしめそうになってジノはプルプルと体を震わせてその衝動を耐えた。
 
「だい・・じょうぶ・・・?」
 
ジノの様子を心配するようにコテンと首を傾げた姿は犯罪的に愛らしく、皇帝が今期の国家予算に「ルルーシュ」という謎の枠を作った理由もわかる気がした。
 
「ありがとうございます、大丈夫ですよ。」
 
安心させるために微笑むと、皇子が背伸びをしながら細い腕をいっぱいに伸ばしてきた。
 
「?」
 
よくわからないが皇子がジノの頭を熱心に見ているので、ジノはとりあえず膝を折って皇子の目線に合うくらいに屈んだ。すると皇子の柔らかな白い手がジノの頭の天辺を優しく撫でた。
 
「泣きやんだから・・・。いいこ。」
 
その言葉にジノは真っ赤になって苦笑した。
 
 
それから二人で手を繋ぎ合って星空の下、明るい離宮へと戻っていった。
 
 
 
 
 
「それにしても、よくジノ君とお話できたわね。」
 
目を覚ましたルルーシュがジノの姿を探していることに気がついたマリアンヌは笑ってジノの居場所を教えたのだが、まさか人見知りな我が子がこんなに短時間でジノになつくとは思っていなかったので、ルルーシュを寝付かせながら思わず聞いてしまった。
するとルルーシュは少し自慢げに笑った。
 
「ジノ、すごくさみしそうだったから、ぼくがまもってあげなくちゃって思ったの。だってぼくはもうお兄ちゃんだから!」
 
数か月前に妹のナナリーが生まれてからすっかり兄としての自覚に目覚めたルルーシュは、どうやらジノのことを新しくできた弟か何かと認識したらしい。
 
(でもこれって兄というよりも、何ていうか、母性じゃないかしら?)
 
三歳にして母性に目覚めた我が子のお餅のような頬っぺたを突きながら、マリアンヌは将来が楽しみね、と豪快に笑った。




もじもじ皇子はじのじのを守る気でいましたw
でも広い背中に守られるようになるのもそう遠くない将来\(^o^)/
副題の「小さな君に出逢った日」の意味はジノ→ルルでもあり、ルル→ジノでもあります。
 
 
 
 
 
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