起きたら外が真っ白なのにはしゃいだともきですw
Bこちゃんと盛り上がったルル話。
・ギャグスザルル
です。
よろしければ!
起きたら窓の外は一面の銀世界だった。
それを見てスザクの脳内は、子供のように純粋に喜ぶ気持ちととある事情からほんの少しだけ面倒に思う気持ちと、これまたとある事情から大いにニヤけてしまう下心と、三つの心理が蠢き大変忙しかった。
そのとある事情とは、こんな天気の日にスザクが起床してから約30分後にアッシュフォード学園のクラブハウスで起こることに起因する。
「ルルーシュ~~!!起きて!!学校!!」
スザクは勢いよくクラブハウスの階段を駆け上り、ルルーシュの私室のドアをバタンと音を立てて開ける。もちろんそんな開け方をすればルルーシュからの叱責が飛ぶのは間違いないのだが、今日のような雪の朝は違う。
「・・・。うぅ、さ・・むい・・。」
スザクの目に飛び込んできたのは、高級羽根布団の中に潜るカタマリ。
これはいつものことなので、スザクは特に驚くこともなく布団を剥ぎとる。
「早く起きないとまた遅刻するよ!ほら!」
「違う、間違っているぞ、スザク。外を見てみろ、こんなに雪が積もっているんだ、休校に決まっているじゃないか。」
妙に滑らかにそう言ってのけると、ルルーシュはスザクの魔の手から布団を取り返し、また潜り込んでしまった。
「いやいや、間違ってるのは君だから!そもそも積雪三センチで休校とか意味わかんないし!」
時間がないと布団を掴み直すが、チラリと覗く潤んだ紫色の瞳で哀願するように見つめられてしまうとどうしても手に力が入らない。それがルルーシュの計算だとわかっていても半端ない色っぽさと純粋さが混じり合った視線に叶うはずがない。
「スザク、よく考えてみろ。雪が三センチも積ったら滑って危ないだろう?だから休校だよ。」
難しい数式を述べる学者のようにルルーシュは至極真面目な様子で白々と言い放つ。
「こんな雪で滑るのは君くらいだよ。ほら、こどもじゃないんだからいい加減起きてよ。僕は困ったナナリーから頼まれているんだよ。」
最愛の妹の名を出すと、ルルーシュはついに観念したように、しかし非常に渋々と身を起こした。そして布団からぬらりと出てきたルルーシュの恰好を見て、スザクは内心ガッツポーズを取りながら、口では窘めるようなことを言う。
「また君はそんな恰好で寝て。だから寒いんでしょ?誕生日にミレイ会長から貰ったパジャマはどうしたの。」
鬼に金棒ルルーシュに黒ビキニ、黒のインナーに黒ビキニという最強の恰好をしたルルーシュの白く細い太ももにスザクは熱心な視線を送った。
「パジャマは何かごわごわして寝にくいんだよ。・・・お前はいつまで俺の脚を見ているんだ。早く出ていけ、変態。」
「何て酷いことを言うんだい!ああ、ルルーシュがのろのろしてるからもう時間がないじゃないか!ほら、手伝ってあげる!」
「ほわああ!!!な、何をする!この破廉恥め!」
「許しは乞わないよ。僕たち友達だろ?」
悲痛な悲鳴をものともせずに(強制的に)着替えを手伝ったスザクは、疲れ切った様子のルルーシュの手を(強引に)引いて、玄関に向かう。通りがかりに覗いたリビングにナナリーはいなかった。雪が降ると休校という謎のルールを作っている兄とその兄を起こしにくる親友のことを把握しているナナリーは先に学校に行ったのだろう。
「もういい加減サクサク行こうよ~。」
スザクは手触りの良い手袋を嵌めてあげた華奢な手をぶんぶん振り回すが、グズグズと玄関から動かないルルーシュ。
「い~く~よ~!!」
思い切り手を引っ張ると、ルルーシュはようやくのろのろと動き、スザクの傍に僅かな隙間もなくピタリとくっついた。
「・・・寒いんだよ。少しは体力馬鹿の体温を分けてもらってもいいだろう。」
鼻の頭を赤くしながらルルーシュは言い訳がましくボソボソと口ごもる。
もちろんこのルルーシュの行動もいつものことなので、スザクは心の中で計算通りだとニヤリとしながら、ルルーシュが滑って転ばないように腰に手を回した。
見目麗しい生徒会の二人がそこらの恋人同士が恐れ入るくらいの密着度で登校する雪の日は、寒いのにもかかわらず教室から生徒が鈴なりになってこの二人を向かい入れるのがアッシュフォード学園の名物になっている。
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