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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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保険医ルルーシュに惚れて毎日保健室に通うジノジノとちょっと黒いスザクさんのお話。

ジノ→→(←)ルル←←スザク な感じで。

ちょっとジノがお馬鹿ちゃんかもしれません^_^;

ルルーシュ先生かさぶたの黒い笑顔
 
 
「ルルーシュ先生、おはようございます!」
 
「・・・またお前か。何をしに来た。」
 
「何をしにって、保健室にくる用事なんて一つしかないでしょう?」
 
「保健室は怪我をしたり、体調が悪くなった生徒がくる所だが?」
 
「そう、だから来たんです。」
 
「ジノ・ヴァインベルグ。お前は至って健康そうに見えるが?」
 
「かさぶたが治らないんです。」
 
大真面目な顔で、ほら見て下さい、と制服のズボンを捲って膝小僧を見せてくるジノに、ルルーシュは大きなため息をついた。
 

ルルーシュは今年大学を卒業してからこの高校の保険医として勤務している。
会議などで忙殺されることはあるが、一日のほとんどを己の城としている保健室で穏やかな時間を過ごしている、はずだった。が、想定もしていなかったイレギュラーが起こったのは、着任して間もない5月のことだった。
新入生歓迎会のレクリエーションの山登りで同じクラスの枢木スザクとふざけ合っている間にジノは思い切り膝を擦りむいた。そして盛大に血を流したので、保険医として同じくレクリエーションに参加していたルルーシュのもとへと連れていかれた。
 
ジノ曰く、その怪我はするべくしてしたものだそうだ。なぜならジノは山登りで息を乱しながら汗を流して今にも倒れそうで、彼こそ医者が必要だと言われかねない様子のルルーシュに一目ぼれをしてしまったからだ。そしてルルーシュのことを運命の人と言って憚らず、結局ジノは膝から血を流しながらルルーシュを背負って山を登った。
 
そう、ジノが運命の人と出逢った(と言って譲らない)その日からルルーシュの受難は始まった。
 

毎日毎日飽きることなくジノは保健室に来てはかさぶたを見せてくるのだ。
ルルーシュとしてはいい加減追い出したいのだが、結局あのレクリエーションで行きも帰りも背負われてしまった負い目があるため強くでることができないでいる。
 
「俺には何の問題もないただのかさぶたに見えるが?」
 
「私今まで怪我とかしたことがないから、どの段階で問題がないのかわからないんですよ。ほら、見て下さいよ。ここら辺なんてまだグジュグジュしているでしょう?昨日お風呂に入った時に濡らしたのがいけなかったんでしょうか?」
 
「知らん。放っておけば治る。男なら細かいことを気にするな。」
 
そう冷たく言っておきながら、ルルーシュは横目でジノの膝の状態をしっかりと確認している。
確かめるように白いルルーシュの人差し指がジノの膝をツウと撫でると、ジノはピクリと体を震わせた。その反応が面白かったのか、ルルーシュは子猫が悪戯をするようにジノの膝を指先でいじる。正常な皮膚とかさぶたの境目をカリカリと爪の先でひっかき始めた所でジノはガタリと立ち上がった。
 
「な、なんだ突然。もしかして痛かったのか?すまなかった。」
 
悪戯が過ぎたかと長い睫毛を伏せたルルーシュを見下ろしたジノは無言で勢い良く白衣に包まれた細い体躯を抱き締めた。ふわりと鼻腔に爽やかでどこか甘い香りが届き、思わず艶やかな黒髪がかかる首筋に顔を埋めた。
 
「ちょ、何なんだ!!離せ!」
 
びっくりして固まっていたルルーシュだが、首筋に顔を埋められ、ガシリとホールドされた腰を撫でまわされた時点でようやく細腕で抵抗を始めた。
しかしルルーシュのか細い体でジノの立派な体格に対抗できる力などあるはずもなく、困ったと眉を顰めたその時、ガラリなどと可愛い音ではなくバンっと激しく壊さんばかりの勢いでドアが開けられた。助かったと息を吐きかけたルルーシュだったが、現れた人物を見て口元まで出かかった息を止めた。
 
「ルルーシュ先生・・・・?この状況を説明して頂けますか・・・?」
 
にっこりと笑いながら何か黒いものをだしているのは、ジノのクラスメートである枢木スザク。
 
「説明よりもとりあえずコイツを放してくれないか?」
 
げんなりと呟いた瞬間、ルルーシュの目には何があったのかわからない早さでジノが吹っ飛ばされた。
 
「ジノ、もうHR始まるからね。そろそろ行こうか。」
 
「スザク!」
 
投げ飛ばされたジノが怒り、高校生らしい青春の喧嘩が始めるのかとちょっぴりワクワクしていたルルーシュは次の瞬間リアクション芸人のように椅子から倒れそうになった。
 
「ありがとう、スザク!これでまた保健室に来る怪我(理由)ができたよ!さすが私の親友!」
 
「そうか、ジノは病院に行きたいんだね。今度は手加減しないから、喜んでね。」
 
「もう、いい。お前らとっとと出て行け!!」
 
 
ルルーシュの怒声はちょうどタイミングよく鳴ったチャイムに掻き消されてしまい、更に脱力した。
 
「もうヤダ。もう疲れた。帰ってこい、俺の平和な保健室。俺の城・・・。」
 
ぶつぶつと壊れたように呟くルルーシュにジノは爽やかな笑顔を残していった。
 
「じゃあルルーシュ先生、また昼休みに!」
 
一方スザクは半眼だが口元だけは穏やかな笑顔で、
 
「ルルーシュ先生、昼休みは詳しくお話をしましょうね。」
 
と言って、ジノをズリズリと引き摺っていった。
 
「はああ。早くジノのかさぶたが治りますように。」
 
静かになった保健室にルルーシュの切実な声が響いたが、その願いが届くことはないだろう。



これからもずっとジノはかさぶたを見せに来ますw
 
 
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