・スザクとルル猫シリーズ
・スザクさんが若干気持ち悪いです
こんな感じでもよろしければ!
スザクとルル猫 222の日
朝食を食べながらテレビを見ていたスザクの耳にとある情報が流れ込んできた。
それを聞いたスザクは窓辺で優雅に寝そべる黒猫を見て、ニンマリと笑った。
「ふふっ・・・。いいこと思いついた!」
夢見心地にうっとりとそう呟いたスザクにルルーシュは胡乱な視線を送った。
にゃん (どうせ碌なことじゃない)
教室に入ったスザクは、真っ先にジノの姿を探した。
リヴァルと談笑しているジノの肩を掴んで、にっこりと笑う。
「今日ジノの家に行くから。ルルーシュも連れていくから、ちゃんともてなしてね。」
「別に構わないけど、なんか今日はいつもに増して俺様じゃないか?」
スザクが俺様なのは今に始まったことではないが、と思いながらも首を傾げたジノだった。
「人聞きが悪いことを言わないでよ。僕はいつでも優しいよ、ルルーシュ限定で。」
「わかってるよ、お前がそういう奴だっていうことは・・・。」
いい笑顔で言い切ったスザクにジノは薄っすらと苦労人の涙を浮かべた。
放課後、スザクは一度家に帰りルルーシュを抱いてジノの家を訪れた。
「お帰りなさいませ、ルルーシュ様。」
ドアを開けたジノはスザクの腕の中のルルーシュに茶目っ気たっぷりに執事のように挨拶をした。
にゃ~。
挨拶をするように可愛らしく鳴いて答えたルルーシュと嬉しそうに満面の笑みを浮かべたジノの様子に、スザクは不機嫌そうに口をへの字の曲げた。
「ルルーシュ、ジノなんかに挨拶しなくていいんだよ。」
幼い子に言い聞かせるような口調が気に入らなかったのか、ルルーシュはフンと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「まあまあ。ほらルルーシュも機嫌直して。ユフィ達もお待ちかねだからさ。」
妹の名に美しい瞳を一層輝かせたルルーシュを連れて、何だかんだ言いつつも屋敷の中へと入っていった。
にゃ~~~~!!!
ドアを開けるとユフィ、ナナリー、ロロがピクリとこちらに気づき、ルルーシュの姿を見つけた瞬間に、猫であって犬であるかのように熱烈な鳴き声を上げ、すり寄ってきた。
三匹ともルルーシュ目的なのだが、ルルーシュを抱いているスザクの足元に集結する結果となり、スザクは猫に囲まれるという夢のような光景に嬉しさのあまり危うく涎を垂らすところだった。
そんなスザクの口元を引き締めたのは、早く下せとルルーシュに催促するように指を噛まれたからだ。
にゃん、にゃん、にゃん♪♪
久しぶりの兄妹再会に、四匹とも興奮してしなやかな身体を寄せ合っている。
「はああ!ルルーシュがにこやかにしてる!!はっ、ちょっと写真!」
微笑ましい四匹の様子に頬を染めて悶えていたスザクだが、すぐにはっとして鞄からカメラを取り出した。
「それで何で急にルルーシュを連れてきたんだ?」
儀式のように真剣に写真を撮っていたスザクが一通り落ち着くと、ジノは使用人から受け取ったお茶を差し出しつつ、口を開いた。
「ジノ、君は知らないの?今日が何の日か。」
馬鹿にするような目を向けられ、ジノは頭にカレンダーを浮かべたが、特に何も思いつかない。
「何かあったか?」
「今日は何日?」
「2月22日」
「そう。」
「は?それで?」
「まだわからないの?猫の日だよ。つまりルルーシュの日。」
「何で2月22日が猫の日になるんだ?」
「猫の鳴き声は?」
「にゃ~。」
「うわっ、可愛くない。ジノが猫だったら僕は死んでも飼わないね。」
「いや、私もスザクにだけは飼われたくないよ。で、結局何?」
「だから、にゃんにゃんにゃんで、猫の日なんだよ。」
「へえ。初めて聞いたな。」
「これだからジノは世間知らずだって言われるんだよ。」
実に偉そうに言ってのけるスザクも今朝のニュースで知ったのだが。
「孫の日は孫が、敬老の日にはご老人が、母の日には母、父の日には父が好待遇を受けるんだ。だったら猫の日にはルルーシュが楽しいことをしてあげなきゃね。ということで、兄妹に会わせて喜ばせてあげようと思ったんだ。間違ってもジノに会わせたかったわけじゃないからね。」
にっこりと笑って言うが、いちいち一言多い男だ。
そんな話をしていると、ピンクのリボンを首につけたユフィがスザクの足元へやってきた。
「やあ、こんにちは。君はユフィだったね。」
スザクは大人しくしているユフィを抱き上げた。
「ユフィもルルーシュに似てとても綺麗な目をしているんだね。」
もちろんルルーシュが一番綺麗だけど、と心の中で呟きつつもユフィを褒めちぎって、柔らかな毛並みを丁寧に撫でた。
そんな様子をじっとルルーシュが見ていることも気づかずに。
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