・スザクとルル猫シリーズ
・すれ違い編の続き
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・まだ続きます\(゜ロ\)(/ロ゜)/
今日お庭にたぬきみたいにまるまるとしたにゃんこが入ってきました。
ともきの父はうちの庭ににゃんこが侵入すると吹き矢(おもちゃの)を持って野人のようににゃんこを追いかけまわす人非人ですw
どんよりと俯いて家路を歩くスザクだったが、次第に怒りが沸いてきた。
「なにあのルルーシュの甘えた顔!ジノの膝になんか乗っちゃってさ!あんなに体を寄せて・・・。ああっ!もう可愛いじゃないか!本当に、もう!」
怒りつつもニヤけるという器用なことをやってのける。
「大体さ、僕が一体何をしたっていうの?ルルーシュが喜ぶだろうと思って、わざわざジノの家に連れていってあげたのに。」
口に出すと、心で思っていたよりも怒りの熱は沸騰し、スザクはプンプンしながら家の玄関を乱暴に開けた。
しかし開けた先に広がるのは空虚な空間。
一応屋敷の主人であるスザクのために電気だけは点けられているが、ただそれだけ。
人工的な明りに照らされた広い玄関にポツリと一人立つと、スザクは急に心許なくなった。
いつも出迎えてくれる小さな姿がないことに、わかっていたはずなのに、心が激しく揺れた。
「べ、別に今まで当たり前だったじゃないか。何をいまさら・・・。」
静寂に支配されることに我慢ならず、ぼそぼそと呟いて音を作ってみるが、それは広い屋敷にひっそりと吸収されるだけで、余計虚しさが募った。
自室に入ると、その思いは一層強くなった。
何もする気になれず、ベッドに寝転ぶ。
「ルルーシュってあんなに小さいのにな。」
そう、あんなに小さいのに、彼がいないだけでこんなにも家が広く冷たく感じるのだ。
自分の家にいるのに、まるで見知らぬ他人の家に招かれたような違和感。
「ルルーシュ・・・。」
ツンとしている癖に淋しがり屋で、でもとても優しい黒猫。
言葉もしゃべれないけれど、いつもその体温をそっと分けてくれる愛おしい存在。
彼がいなくても平気だなんて、嘘でも言えない。
「早く明日にならないかな。」
目を開けるとルルーシュの姿を探してしまうから、スザクは目を閉じた。
しかし一人きりのベッドは異様に広く感じて、なかなか寝付くことができなかった。
翌日、朝一番でルルーシュを迎えに行こうと思っていたスザクだが、朝練があるため泣く泣く放課後まで待つことにした。
(その話を聞いたジノは安堵のため息を心の中でついたのだが)
「ルルーシュ!」
スザクはジノを押しのけて風のような速さで家の中に入った。
一晩経ちルルーシュの機嫌も治っているだろうと思って、足元にすり寄ってきてくれるのを期待していたスザクだが、事はそう簡単に進まなかった。
「ルルーシュ!迎えに来たよ。家に帰ろう。」
窓辺で日向ぼっこを兄妹揃ってしていたルルーシュにテンション高く話しかけたが、返ってきたのは絶対零度の凍るような視線。
「・・・え・・・・?もしかして、まだ、怒ってる・・・?」
フンと顔を逸らされ、スザクは床に手を着いて絶望した。
「そ、そんな・・・。本当に何がいけなかったの・・・?ジノの香水が臭かったからとか?でもそうだとしても僕のせいじゃないから、僕と家に帰ってくれればいいのに・・・。はあ。」
ブツブツと呟いているスザクをチラリとその宝石のような瞳で見ていたルルーシュが身を起こそうとした時、隣で寝ていたユフィがスザクの元へと走っていった。
「ん・・・?ユフィ?ありがとう、慰めてくれるの?君は優しいね。」
ピンク色の小さな舌でスザクの手の甲を舐めるユフィをスザクは抱き上げた。
ルルーシュを抱く時の習慣で、そっと優しく、宝物に触れるように大切に慎重に。
それを固まったように見ていたルルーシュはふるふると身を細かく震わせると、ちょうど部屋に入ってきたジノの足元へと飛びついた。
「うわっ!なんだ、ルルーシュか。吃驚した。」
どうした?と空色の瞳で優しく問いかけて、ひょいっとジノはルルーシュを抱き上げた。
「あれ?スザクは何でユフィを抱いてるんだ?ルルーシュを迎えに来たんだろう?」
ほらっとルルーシュをスザクに渡そうとしたが、ルルーシュは猛烈に暴れてジノの胸にしがみついた。
「・・・ははは・・・。ルルーシュはよっぽどジノのことが好きなんだねぇ・・・。」
絶対にお前のところになんか行くものかというルルーシュの気迫を感じ、スザクは乾いた笑いを零した。
もちろん、魔界の住人も裸足で逃げ出したくなるような禍々しい目つきでジノの睨みながら。
ジノジノは被害者w
ジノジノは被害者w
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