ミ/ス/チ/ルの「車の中で隠れてキスをしよう」を聴いて思いついたスザルル文です。
・現代成人スザルル
・薄暗い
・おちなし
・ルルはしゃべりません
・悲恋に近い相思相愛
こんな感じでもよろしければ、クリックしてみて下さい。
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・おちなし
・ルルはしゃべりません
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車の中で隠れてキスをしよう
強い雨音が車のボディーを激しく叩いている。
埠頭のオレンジ色の灯りに仄かに照らされたルルーシュの白い横顔を見つめる。
もう僕らはこどもじゃないんだ。
だけど・・・。
「ね、ルルーシュ。キス、しよ?」
僕たちは幼馴染で、そして多分恋人同士だ。
多分というのは、あまりにも近い存在すぎてその存在に名前をつけるのに違和感があるからだ。
そして何よりもやっかいな”世間体”という奴のせいでもある。
そして何よりもやっかいな”世間体”という奴のせいでもある。
子どもの頃、僕らはよく戯れにキスをしていた。
何も考えずに、ただ純粋に“好き”という感情の延長で。
小学校に上がる前までは「ルルーシュをお嫁さんにする!」とよく口にし、周りの大人には笑われた。実際ルルーシュのその美貌は幼い頃から明らかで、どの女の子よりも可愛かったから、大人たちの笑いには「しょうがない」という意味も含まれていたように思う。
けれど次第に親から言い含まされるように説教されるようになっていった。
「枢木家の嫡男が男を娶りたいなどと戯れでも口にするべきではない。」と。
おそらくルルーシュも親から同じようなことを言われていたのだろう(彼は富豪ブリタニア家の跡取りだ)、示し合わせたわけではないのだけれど自然と僕らは大人の前では不仲を装うようになり、隠れて遊ぶようになっていった。
そして僕らの仲はひっそりとこっこりと、しかし確実にその近さを縮めていた。
それは他の誰よりも僕らは深く深く繋がっていた。
けれど最近ルルーシュの態度がどこかおかしい。
今夜はそのことを問いただそうと、ドライブに誘った。
行き先はいつもの埠頭。
「大丈夫、ここなら誰も見てないから。」
この台詞を何度この白い横顔に甘く囁いたことだろうか。
いつから僕らは小さなキスにさえも怯えるようになったのだろう。
「雨も降ってるし、誰にも見つからないから。だからさ、・・・」
君は泣いてるの?
それとも笑っているの?
小刻みに震える細い肩を抱きしめて俯いた顔を優しく持ち上げて、薄い唇と甘美なキスをする。
窓に垂れた雨の雫が白い頬に映って、まるでルルーシュが涙を流しているようにみえた。
けれどその幻影でさえも己のものにしたいと、さらに深く舌を絡めた。
このままこの狭く暗い僕たちたけの世界に君を閉じ込めておけるのならどんなにいいだろう。
この車の外に出たら現実という滑稽な舞台で僕と君は相性の悪い幼馴染という役を演じる道化にならなければならないのだ。
僕達が本当の自分を取り戻せるのはこの狭い車内の中だけ。
だからせめて、せめてこの僅かな時間を誰にも奪われないように
僕らは今日も車の中で隠れてキスをするのだ。
追記
ルルーシュの態度がおかしかったのは、縁談話がでてきたりと
現実問題に直面していたからです。
もちろんスザクの将来も心配で本当は別れを告げるはずだったけれど、
やっぱりスザクの存在は大きすぎて、どうしようもできない
そんなジレンマに悩んでいたから。
追記
ルルーシュの態度がおかしかったのは、縁談話がでてきたりと
現実問題に直面していたからです。
もちろんスザクの将来も心配で本当は別れを告げるはずだったけれど、
やっぱりスザクの存在は大きすぎて、どうしようもできない
そんなジレンマに悩んでいたから。
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