ま、まだ風邪が治りません!!
もしスザクさんが本気出してるるしゅをストーカーしたらきっとこんなしつこさなんだろうなと思うくらい、まだ居座ってくれています(←)
通販は明日の午前中に入金確認、午後に発送致します。
拍手・メールレスは引き続き申し訳ないのですが、もう少々日にちを下さい。
久しぶりの更新になってしまいましたが、今日は導入部だけです<(_ _)>
一気に書き上げてしまいたかったのですが、どうにも本調子ではないので体調を優先させて頂きました。でも何も更新がないより短くてもあった方が私個人は嬉しいタイプですし、アンケートでもそう答えて下さる方が多かったので、短いですがUPします^^
続きはなるべく早く更新できるように心がけます。
・ジノルル 「それはまるでお伽噺のような」番外編
・第二部の数カ月後くらい(今のところUPしているお話は春~初夏です)
・始めは暗いですが、後から明るくなるのでご安心下さい。
それはまるでお伽話のような
番外編
Can You Feel The Love Tonight?
ルルーシュは冬が嫌いだ。
天気の良い日の昼間であろうとも、燦々と輝く陽光が漏れる程度にしか差し込まぬ陰気な部屋では寒さは何よりもこたえた。
古びた窓を叩く強い風は、本や勉強に熱中している時など気にならないが、針一つ落とした音さえも響き渡りそうな静まり返った夜などは、脆いガラスが揺れる度にびくりと体を震わせてしまう。
『帝国の恥部』と呼ばれようとも仮にも皇子たるものが自室で凍死したなどとあってはあまりにも外聞が悪いからだろう、もう何年も掃除されていない煤だらけの今にも崩れそうな暖炉には薪がくべられ、申し訳程度に部屋は温められている。しかしその薪は使用人部屋ですら使えないと、廃棄されるために一纏めに集められた細く小さなものである、そう何時間も保つものではない。
あっという間に薪は燃え尽きてしまうため、ルルーシュはひたすら忍び寄る冷気に耐えるより他なかった。
深い雪に覆われ「白銀の宴」と吟遊詩人に謳われるブリタニアの厳しくも美しい冬は、打ち捨てられた離宮の一室に軟禁されている薄い身体にはただただその厳しい面だけを容赦なく突きつける。
せめて温かい飲み物でもあれば幾分慰められたかもしれないが、出されるのは氷のように冷たい水だけであった。大帝国の皇子であれば、よほど限度を知らない事以外であれば大抵のことは何でも叶う。しかしルルーシュには温かな紅茶の一杯ですらも夢のまた夢であった。
しかしルルーシュは己の置かれている環境を嘆くことはしなかった。
己を憐れんで泣いて暮らすことなどまっぴらであると思っていた。
泣いて何かが変わるのであれば幾らでも涙を流すが、そうでないのなら涙など全くの無駄である。
そう思いつつ、その実、その心に隠されていたのは蝕むような淋しさであった。
本当は、強い風は隠している臆病な心を白日の元に晒されるようで嫌であったし、体を震わす寒さは望むことすら許されないぬくもりを無意識に求めてしまいそうで怖かった。
一人泣いた後、頬に残された涙の跡がひりひりとする程に冷たく突き刺してくるのが、余計惨めな思いを助長するから、もう二度と泣きたくなどないと思った。
それはルルーシュの矜持のようなものであった。
元より醜いのだ。弱さなど見せて余計無様に思われるのはなけなしのプライドが許さなかった。