今日は4月とは思えないほど寒い雨の日でしたね。
でも「目蓋」を書きすすめるにはこの天候は最高ですww
やっぱりシリアスなお話は、暗い天気がよく合いますから(^_^;)
気晴らしに書いてみました!
ルル誕の「命の贈り物」(PC)の続編です。
読んでいなくても、多分大丈夫です。
・犬スザク(子犬)×盲目な皇子(14歳)+AGO兄上
・愛されーしゅ
・後編は後日UP
・携帯からは見づらいです<(_ _)>
タイトルは・・・皇子と馬鹿犬?(笑)
こんな感じでもよろしければ!
でも「目蓋」を書きすすめるにはこの天候は最高ですww
やっぱりシリアスなお話は、暗い天気がよく合いますから(^_^;)
気晴らしに書いてみました!
ルル誕の「命の贈り物」(PC)の続編です。
読んでいなくても、多分大丈夫です。
・犬スザク(子犬)×盲目な皇子(14歳)+AGO兄上
・愛されーしゅ
・後編は後日UP
・携帯からは見づらいです<(_ _)>
タイトルは・・・皇子と馬鹿犬?(笑)
こんな感じでもよろしければ!
皇子と騎士犬
「恐れながら申し上げます!!」
ふるふると怒りのあまり手袋に包まれた拳を小刻みに震わせ、大声を張り上げたジェレミアの姿は本人の真面目さを裏腹に、穏やかな日差しが降り注ぐ部屋では酷く滑稽で、シュナイゼルは机の上の書類に向けた視線の中に込み上げる笑いをそっと隠して、冷静に問いかけた。
「何だい?」
しかしシュナイゼルが被り慣れた百戦錬磨の仮面を被っていられたのも、次の言葉を聞くまでだった。
「ルルーシュ!!」
長い足を大いに活用して、アリエス離宮までやってきたシュナイゼルは侍女が扉を開ける時間すら惜しいとばかりに自分で扉を開け、居るサンルームに足を踏み入れた。
心地良い春の柔らかな日差しが降り注ぐガラスの天井の下、籐で編まれたソファーで点字の本を呼んでいたルルーシュは、ぱっと顔を上げた。
「兄上?」
前触れもなく訪れるなんて珍しいと、ルルーシュは見えない目で兄の気配を探りながらきょとんと首を傾げた。
シュナイゼルはそんな可愛らしい弟の薔薇色の頬に見慣れない大きな白いガーゼが貼られているのを見て、眉を顰めた。
「どうなさったのですか?こんな昼間にいらっしゃるなんて。」
「お前が怪我をしたと聞いてやってきたんだよ。大丈夫かい?痛くはないか?」
兄の逞しい手のひらに顔を優しく包まれたルルーシュは、困ったように眉を下げながら小さく笑った。
「怪我というほどのことでもないです。まったくオレンジが大袈裟に言ったのでしょう。大したことないというのに。」
扉の前に立っているジェレミアのことは気配で気がついていたのだろう、余計なことをするなとルルーシュは横目でジェレミアを睨む。
「ああ、膝も痛めたんだって?可哀想に。」
治療がしやすいようにと滅多に穿かないハーフパンツから覗く熟れる前の固い白桃のような膝にも軽く包帯が巻かれている。
(シュナイゼルにとってはこの上なく)痛々しい弟の姿に、うっかり目が潤みそうになったが、ルルーシュの華奢な腿の上で暢気に寛ぐ子犬を見つけ、シュナイゼルはこれらの元凶であるこの子犬、スザクを睨みつけた。
「ルルーシュ。他にもっと頭の良い犬を見つけてきてあげるから、コレは他の者に任せないかい?」
シュナイゼルの殺気に気がついたのか、スザクはグルグルと唸り出した。
「こら、スザク。兄上に失礼だぞ。静かにしていろ。」
ルルーシュに鼻先を軽く弾かれ、唸るのを止めたスザクだったが、その緑色の目はシュナイゼルから外されることはなかった。
「突然何でそんなことを・・・。」
何も映さないスミレ色の瞳が困惑の色に染まり、スザクの茶色の身体を包む手にも力が入る。
「ルルーシュ、私は心配なんだ。今日だって、コレが暴れたせいで怪我をしたと言うではないか。お前は目が見えないし、乱暴な性格の犬では危険だ。ジェレミアから話を聞いて、私がどれだけ心配したか、賢いお前はわかってくれるね?」
ジェレミアがシュナイゼルの執務室に怒鳴りこんだ理由はスザクにあった。
「本日午睡から目覚められたルルーシュ様は、あの忌々しい犬、いえ、スザクと散歩に出られたのです。部屋にいてばかりではあの犬が可哀想だからと実にお優しいルルーシュ様・・・。」
主を心底敬愛しているジェレミアは主の優しさにうっとりと目を細めた。
シュナイゼルは書類に走らせるペンを止めることなく先を促した。
「それで?」
「それでですね!!」
はっと我に返ったジェレミアは鼻息荒く、再び拳を震わせた。
「アリエスの庭園であの犬を外に連れ出す練習として、リードをつけて散歩をされていたのですが、あの馬鹿犬が突然走りだしてリードを勢いよく引っ張ったのです。それに引き摺られた殿下は階段を落ちられ、顔や足に怪我を負われたのでございます!!」
それを聞いたシュナイゼルは持っていたペンを放りだして、愛弟のもとへと駆けつけたのだった。
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