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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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鏡合わせの皇子シリーズ

半身様に加え、すみれ様という心強い同志を得たので続きを書いてみましたw


・ゼロルル双子皇子+スザク

・時間軸は前回の序章から暫く経っています。

・序章を読んでいなくても問題ありません。

・設定の一部を宮/部み/ゆ/きさんの作品を参考にしています。


こんな感じでもよろしければ!
携帯では「シリーズ」に収納する予定です。




鏡合わせの皇子と玩具騎士 ~お出掛け編1~

 
 
かの騎士の故郷には成分の半分は優しさでできているという薬があるそうだが、彼に言わせると、彼の主である鏡合わせの皇子達の半分以上は、思いつきと悪戯心で出来ているそうだ。
幼馴染として私もその意見には激しく同意すると共に、ほんの僅か「ざまあみろ」という気持ちがあったのも否めない。
 
(ジノ・ヴァインベルグ著「鏡合わせの皇子と玩具騎士~10代の在りし日~」より一部抜粋)
 
 
 
「ああっ!!」
 
事の始まりは、スザクが皇子達の習慣である10時のティータイムのお菓子である焼き立てのスコーンを銀のお盆から落としたことから始まる。
そもそもスザクは彼らの騎士ではあって、使用人ではない。よって本来ならばこのような雑事をする必要はないのだが、主は極限られた人間しか私室に入れないため、離宮では常に人手不足なのだ。苦労する侍女を見かねたスザクが双子皇子の世話を買ってでたのだが、大雑把なスザクは一事が万事このような調子で、よく失敗をする。
 
 
「というわけで、すみません・・・。今日のお菓子は3時までお待ち頂けますか?」
 
恐る恐るソファーでやたらと密着している主達を窺うと、アメジストのピアスをした皇子、ルルーシュが読んでいた本から顔を上げて、その本のページを捲っていた手を止めて同じように顔を上げたルビーのピアスをした皇子ゼロと顔を見合わせた。
 
「どうする?」
 
「どうするか。」
 
「せっかく今日は何のジャムをつけるか決めたところなのに。」
 
「ルルーシュが苺で、私がアプリコット。」
 
「クロテッドクリームは半分こ。」
 
「「楽しみにしてたのに。」」
 
酷く残念そうに細く形の良い眉を全く同じ角度で下げられ、スザクはたかがお菓子の問題なのに、大層悪いことをしてしまった気がして慌てて頭を回転させた。
 
「あ、あの!今すぐ厨房に行って、ジェレミアさんに頼んで新しく作ってもらってきます。」
 
ジェレミアというのは双子の専任パティシエである。
双子皇子は普通の食事よりも甘い物が大好きという大の甘党の上、焼き立て、出来たてをこよなく愛しているため、わざわざパティシエを雇っているのだ。(もっと他に必要な人材を雇えと言いたいが、彼らには彼ら独自の優先順位があるそうだ)
今日も今日とて朝食は食べずに10時のおやつを待っていた二人。
彼らのささやかな楽しみを奪ってしまったスザクは返事も聞かずに飛び出そうとしたが、それを止めたのは、慰めるように弟の頭をしなやかな白い手でゆったりと撫でていたゼロ皇子。
 
「待てスザク。」
 
「はいっ?」
 
「でざーとばいきんぐって」と続けるのはルルーシュで
 
「知っているか?」と問いかけるのはゼロ。
 
打ち合わせなど(当然)していないのに、一つの文を二人で完結させる技は一卵性の双子だとしても奇奇怪怪な不思議であるとスザクは常に思っている。
 
「デザートバイキングですか?」
 
コクンと同じ顔が同じ速度で頷く。揺れる黒絹の髪の本数まで同じにように見える。
 
「そう。この間お前に買ってきてもらった雑誌に」
 
「載っていたんだ。」
 
そういえば先日、唐突に「一般の同世代が読むような雑誌が読みたい」と双子皇子に頼まれ、スザクは大急ぎで宮殿を出て街の本屋へと向かったのだった。
ちなみにスザクはその時何の雑誌を買うべきか酷く悩んだ。「同世代が読む本」とは一体何を指しているのか。主達は思春期真っ盛りの花の(?)16歳。もしかしてそういう・・・つまり16歳の男子がベッドの下に隠しながらも喜んで見るような雑誌が欲しいのか、それとも純粋なものが欲しいのか・・・。
結果として悩んだスザクはごく一般的な、宮殿に持ちこんでも困らないものを買い、主達は二対の瞳を輝かせて喜んでくれたので、スザクはほっと息を吐いた。
どうやらその雑誌で新しく出来た話題のデザートバイキングの特集をしていたらしい。
 
 
「最近そのでざーとばいきんぐの食べ放題が流行っているそうなんだが、」
 
「食べ放題って何だ?」
 
「食べ放題ですか?えっと、決められた値段を支払って後は好きなだけ好きな料理を食べていいということです。」
 
普通なら聞かれるまでもないことを改めて聞かれると説明に困ってしまう。
下手ながらに何とか言葉にしたスザクだったが、ゼロとルルーシュはコテンと首を傾げた。
 
「好きなだけ食べていいって」
 
「いつもは好きなだけ食べられないのか?」
 
「庶民とはそんなにも食べ物に」
 
「苦労をしているのか?」
 
「「可哀想に。」」
 
綺麗にハモリながら何とも気の毒そうな視線を庶民代表のスザクに向けた皇子二人に、スザクは冷や汗を掻いた。この世間知らずの主に間違った知識を植えこもうものなら、どこから苦情がくるかわかったものではない。
 
「いえ、そうではなくてですね。えっと。」
 
悪戯な光を宿した四つの紫色の瞳が言葉に詰めるスザクを面白そうに見ながら、ルルーシュが口を開いた。
 
「まあ何でもいい。とにかく」
 
「今日は菓子が台無しになったことだし」
 
「「そのデザートバイキングに行こうと思うんだ。」」
 
にっこりと笑う瓜二つの白皙の美貌はいつまでも鑑賞していたいような気持ちにさせられるが、その花びらの唇から発せられるのは可愛らしさを装った爆弾だ。
 
「えええ!?」
 
こうしてスザクの苦労の絶えない一日の騒動は幕を開けたのだった。


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