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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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富士山の樹海から戻ってきました!
へ、へとへとですOrz
それはまた明日の日記でv

レスは明日、気持ちをたっぷり込めてお返し致します!
お待たせしてしまい申し訳ありません。




では、続きを!

・「Remember the kiss」 後編

・ゼロレク数年後 ナナリー+ゼロ →(ルルーシュ)


・ナナリーに厳しめですので、ナナリー好きさんお読みにならないで下さい。




 


Remember The Kiss 後編



ポロポロと涙を流すナナリーにゼロは静かに言葉を紡いだ。
 
「・・・昔、私には妹を溺愛する友人がいました。その友人は決して彼の妹に先に食事をさせなかった。いつも必ず彼が食べ物を口にして、それが確かに安全なものであると自分の身を持って確かめてからしか妹に食べさせなかった。出逢った時からそうだった彼は、成長してからもその癖は変わりませんでした。幸い家には信頼できるメイドがいたから家では多少リラックスしていたけれど、それ以外の場所では常に神経を張り詰めていました。どんなに美味しいものを食べる時でも彼は毒が含まれているかもしれないという緊張感を持っていたのです。私は毒見する彼の姿を見るのが辛くて、何度もその役を代わろうと申し出たが、彼は頑として首を縦には振らなかった。『覚悟のない奴にさせられない』と言って。その時は私のことを信用していないのだと頭にきましたが、今考えるとそうではなかったのではないかと思うのです。彼は恐らく私のことも傷つけたくなかったのでしょう。守りたかったのでしょう。冷たい言葉に隠された私の生を願う彼の気持ちを今は感じています。」
 
 
 

『ねぇ、ルルーシュ。僕なら大丈夫だよ。だからさ、先に僕が食べるよ。』
 
『馬鹿が。覚悟のない奴にそんなことをさせられるか。』
 
『いつもそんなこと言って!いい加減僕のことも信用してよ。』
 
『そういうんじゃない。・・・それに、ナナリーのために命を落としていいのは兄の俺だけだよ。お前なんかに譲ってやるものか。』
 
そう言ってルルーシュは鮮やかに笑っていた。
 
 
 


「彼は何よりも誰よりも、自分の命よりも遥かに君を大事に思っていたんだ、ナナリー。だから君は何があっても生きなくちゃいけない。何を、誰を犠牲にしてでも、どんなに胸が痛んでも、辛くても。彼のために生きるんだ。」
 
ゼロの仮面を被ったスザクは淡々と、しかしその内側に激しい炎を秘めて、ナナリーに告げた。
 
 



ゼロが出て行った静かな部屋で、ナナリーは声を上げて泣いた。
呼吸さえも儘ならないほどに心が悲鳴を上げていた。
 
「おにいさまっ・・・・!!」
 
知らなかった、兄がそんな風にいつも自分の毒見をしていてくれたなんて。
気がつかなかった、それ程までに大きな献身的な愛に守られていることに。
 
 
 
『お兄様、今日クラスメートからクッキーを頂いたんです。ご一緒に如何ですか?』
 
『ありがとう、ちょうど少しお腹がすいていた所なんだ。貸してごらん。今紅茶を淹れてくるからね。少し待っていてくれ。』
 
『わかりました。早く戻って来てくださいね。』
 
『仰せの通りに、お姫様。』
 
『もう、お兄様ったら!』
 
 
 
「ああああああっ!!」
 
兄がどんな顔をして笑っていたのか、どんな手で髪を撫でてくれたか、どんな声で話してくれていたか思い出したいのに、何もかもが霞がかったように朧げにしか思い浮かべられない。
あんなにも近くにあったのに。
あの頃は彼が傍にいてくれることは特別なんかではなかったから、覚えていようだなんて改めて思って接することなんかなかったのだ。
 
 
 
『お兄様、このスープとても美味しいですね。でも出来たてでしたらもっと美味しかったでしょうに。』
 
『すまない、ちょっと違うことをしていたらスープを冷めさせてしまった。ごめん、ナナリー。』
 
あの『ごめん』にはどれだけの想いが込められていたんだろうか。
毎日、毎日、死と隣り合わせの毒見をしていた兄にとって食事の時間は心から楽しめるものではなかったことだろう。
与えられた少し冷めた食事を呑気に頬張っていた自分の前で微笑んでいたであろう兄は、和やかなテーブルの席で静かに死の覚悟を隠していたのだ。
 
 
 
こんな風に気がつかなかった、気付けなかった彼の愛にこれから後どれくらい出逢うのだろう。
その度に身を切り裂くような痛みを味わうのだろうけれど、その痛みすら兄が守ってくれたこの命が生きている証なのだ。
これはきっと罰なのだ、何も見ようとしてこなかった自分への。
彼が与えてくれるもの全てが当たり前だった自分への。
 
「お兄様・・・愛しています、愛しています!!今も、これからもずっと。」
 
 


ねえ、時間が戻るならあなたの全てを
心に焼きつけられるでしょうか。
その腕、その髪、その顔、その声
全てが当たり前だった。

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ともき
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