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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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ルル(チワワ)とナナリー(チワワ)は睡魔という悪の使者を常に体の外に解き放っているため、二人に挟まれてホットカーペットの上にいたともきは夕食後二時間ほど爆睡してしまいましたorz
起きたら頭にルル、お腹にナナリーが寝ていました^^;
ルルさん、私の頭は君の枕じゃないんだよ。
げ、原稿・・・。昼は仕事をちょこっとしてきたので、今日はまだ何もやってない\(゜ロ\)(/ロ゜)/
マズイ(;一_一)


そんな感じですが(^_^;)、お話投下!

まだ・・・あと一話あるとか言っても大丈夫でしょうかね・・・。
一気にUPできなくて申し訳ないです。

  
THE CRUEL STORY 後編1

・ゼロレク後
・ナナリー厳しめ
・ナナリーには救いなし






あの日、あの時感じた絶望は体の奥の奥、見ることも触れることもできないような場所に無理矢理仕舞い込んだ。そうでなければ生きていくことなど到底できなかった。
それでもふとした瞬間、その絶望は酷い痛みを伴って気の緩みを見計らってはスルリと漏れ出すのだ。
そして今スザクの言葉によって封じ込めてきた絶望の蓋は音も無く静かに開き、ナナリーの心を、体を覆った。それは長い間の時間の中でも褪せることも薄れることもなく、むしろ当時よりも熟成した深みを持って彼女の中に再び入っていく。








THE CRUEL STORY 
後編1




 




「けれどあの最期は彼の不安を打ち消すために必要な行為でもあった。ルルーシュの苦悩はゼロ・レクイエムまでの二ヶ月間、傍でその苦しみを見ていた僕にそれまでに憎しみを捨てさせるには十分なものであった。彼がこれ以上苦しむことがないようにと、最終的に僕はあの計画に賛同した。もし世界のためだけであれば、僕は火を点けるようなことなどせずに、彼を弔っただろう」

仮面越しに聞こえる掠れたスザクの声は悲しみだけではなく、不思議とどこか甘く愛おしげな響きすら伴ってナナリーの耳に響いた。その穏やかな声はあの行動が納得した上のものであり、後悔のないものであると何よりも雄弁に語っていた。


「計画を進めるルルーシュは真っすぐに死に向かっていた。世界を統べる魔王の名にふさわしく美しく、名もなき英雄のように輝いて、花火のように激しく、儚く。そんな彼が唯一恐れていたこと、それは何だと思うかい、ナナリー?」
 

突然問いかけられ、ナナリーは唾液を呑み込むと喉を震わせた。
 

「・・・死ぬことですか?」


頼りないようなわななく細い声に、スザクはずっと昔、初めて美しい兄妹に出逢った頃を思い出して、無性に懐かしさがこみ上げ、仮面の中で小さな笑みを口元に浮かべた。
 

「いいや、違う。迷い無く進む彼が心底恐れていたこと、それは・・・」


「それは?」
 

「死ねないことだよ」
 

「・・・・」
 

「ギアスという超常的な力に翻弄されたルルーシュは、自分は本当にちゃんと死ねるだろうかと恐れ、夜な夜な魘されていた。肥大した強力な王の力はもしかしたら死さえも凌駕してしまうかもしれないという可能性は何も恐れることなどないはずの彼に強烈な恐怖を与えていた。―――ルルーシュは生きることを拒否していたわけじゃない。ただ死ねないこと、その一点だけを懸念していた」

 

スザクの言葉はまるで時間を持て余した意地悪な教授が作った謎かけのようであった。
けれどナナリーはその意味を正しく理解していた。それは18歳の兄の思考に、その何倍もの歳を重ね、ようやく辿り着いた証明であった。
 

「自分という世界のノイズが存在していれば、いつか望まなくても再び世界を混乱に巻き込んでしまうかもしれない。優しい世界で生きるナナリーを苦しめるようなことはしたくない。だから、どうかちゃんと死ねますようにと。二度と目が覚めませんようにと。」





 


『なあ、スザク』

針一つ落とした音さえ響いてしまいそうにシンと静まり返った深夜。
二人だけの世界と錯覚してしまいそうな空間になった僅かな瞬間だけ、ルルーシュは世を震撼させる麗しき皇帝の仮面を脱ぎ、ただのルルーシュに還ることができた。

『何だ』

『俺は死ねるだろうか』

ポツリと迷子の幼子のように不安げな白い顔が、闇夜に浮かんで見えた。

『・・・馬鹿じゃないのか。俺が失敗するとでも?』

『そう・・だよな。そうだな。しっかり殺してくれよ?』

じっと真偽を確かめるように見つめられ、揺るぐことのない視線を返した。

『言われなくとも。お前は俺が殺す』

恋人同士の熱い睦言のように耳元で囁けば、花のような微笑みが返ってきた。

 






 

「それは僕にとって拷問のように残酷だった。けれどルルーシュを安心させるには、もうあの言葉しかなかった。震えそうになる体を、泣きそうに歪む顔を必死に取り繕い、祈るような気持ちで彼にその言葉を繰り返し言い続けた。それが正しいことだったのか、今でもわからない。―――けれど死なないでくれと、泣き崩れ懇願できるほど僕らの関係は単純ではなかった。遅すぎる事などないと、シャーリーなら怒るかもしれないが、あの頃ルルーシュのために僕が出来たのはそんな言葉を告げることと、計画を完璧に遂行することだけだった」

 

 


 

後編2につづく



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