スザクとルル猫シリーズ
・GW編
・この前のお話はお花見編なのですが、それはコピー本収録予定なのでちょっと色々あったことを省いています。
・この後、もしかしたらちょっぴり切ない後編が続くかも・・・しれません。
・スザクさんはルル猫に対して愛情がありすぎて、若干気持ち悪いのはデフォです。
こんな感じでもよろしければ!
スザクとルル猫 GW編
「う~っ!!ようやく終わった~!!」
スザクは大きな伸びを一つすると、ばたりと机の上に倒れた。
せっかくの大型連休だというのに、やることといったら勉強、勉強、勉強。
自由な校風で緩やかなように見えて、実は全国でも五指に入る進学校であるアッシュフォード学園に通うスザクにはたっぷりの課題が出され、外に出る時間もなかった。
「るる~しゅ~!充電させて。」
スザクが机に向かっている時間は決してじゃれつくことはせず、大きな窓から入る日差しに身を委ねてまどろんでいたルルーシュをスザクは無理矢理引き寄せ、抱きしめた。
「はぁ~。気持ちいい~。やっぱりルルーシュの身体は最高だね!」
何も知らない人が聞いたら誤解を招きそうな表現だったが、スザクとしてはルルーシュの柔らかな毛並みに対する最高の賛辞のつもりだ。
ルルーシュの小さな身体に顔をもふもふと埋めて、心底気持ちよさそうにはあはあと息を吐くスザクは誰の目から見ても怪しかったが、ルルーシュは迷惑そうに目を細めながらもまんざらでもなさそうに、にぅ、と小さく鳴いた。
「せっかく二人でいられる時間だったのに、ずっと一人にしちゃってごめんね。もう課題は終わったから、午後は一緒に遊べるよ。何しようか?」
ブリタニア種は大変貴重なので、他の猫のように自由に散歩に出してやることができない。そんなことをしたら目敏い人間にすぐに連れ去られてしまうからだ。
なので必ず飼い主が散歩に連れていってあげなければならないのだが、スザクは四月に入ってから学校でも色々な変化があり、なかなかルルーシュを外に連れていく時間がなかった。先月お花見に行って以来家から出ていないルルーシュをどこか遊びに連れていってやろうかと思い、スザクはルルーシュの鼻先にちょこんと鼻を合わせた。
「どっか行こうか?」
紫色の瞳を輝かせて喜ぶだろうと思ったのだが、意外にもルルーシュは少し考えるように首を傾げた。
「今日はそういう気分じゃない?じゃあ、ジノの家行く?ナナリー達に会いに行こうか。」
スザクとしてはジノの家に行くのはルルーシュを独り占めできないから気が進まないのだが、ルルーシュが喜ぶためならいいかと思いそう提案したのだが、これもまた首を傾げられてしまった。
「もしかして体調悪い?どこか痛いとこでもあるの?」
すれ違いをして離れてしまった2月の終わりからどうも体調が優れないルルーシュ。
ブリタニア種は君なんかより一千倍は繊細な生き物なんだよぉ、と言ったのはロイドだったか。
スザクは今度こそルルーシュの異変にすぐに気がついてやれるようにと思ったのだが、ルルーシュはきょとんと大きな紫色の瞳を瞬かせた。
はて、ルルーシュはどうしたいのだろうか。
言葉を持たない彼の意思を汲み取るのはなかなか難しい。
顎を手に乗せて考え込んでしまったスザクをじっと見つめていたルルーシュは、ぴょんとスザクのお腹に乗ると、そのまま丸くなった。
「ルルーシュ?」
にゃう。
返ってきたのは短いツンとした返事。
けれどルルーシュの小さな手はスザクの服に爪を立てて離すまいとしている。
これはもしかして・・・
「どこにも行かなくていいから、僕のお腹にいたいってこと?」
返事はなかったが、真っ黒な尻尾がゆらりと可愛らしく揺れた。
「ルルーシュ、大好き!!」
むぎゅ~とルルーシュを抱きしめると、この腕の中に幸福が宿っているように思えた。
お腹の上で安心しきったように寝そべるルルーシュの指通りの良い黒い身体を撫で、その温かな体温を薄い布越しに感じると、どうしようもなく頬が緩んだ。
「ふふっ。まんまるの幸せ。」
どこも欠けたところのない、まあるい幸せ。
一人では作れないその丸を感じ、柔らかな初夏の日差しの中でルルーシュを抱いたスザクは満たされたように笑った。
存在してくれるだけで幸せをもたらしてくれる我が家のルル(チワワ)とナナリー(チワワ)は今日も、生き倒れのように窓辺で陽だまりの中寝ていましたw
ともきは、休みは勉強のためにあった酷い高校時代を送っていた(でも高校大好きですよ!)、その腹いせにスザクさんにもルル猫と遊ばせずに勉強させてみましたw
遊べない高校生頑張れ!
勉強した分楽しい大学生活が待ってるよ!
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