コタツから出てきてくれないるるーしゅ。
でもスザクのことも実はちゃんと信頼して愛してるんです!
(ギャグ)
でもスザクのことも実はちゃんと信頼して愛してるんです!
(ギャグ)
スザクとルル猫とコタツ②とジノ
寒さに弱いルルーシュのためにコタツを引っ張り出してきて、翌日には新しい掛け布団を買ってきて大満足のスザクだったが、そのことを後悔するようになるまで大した時間はかからなかった。
「ルルーシュ~~。」
部屋の中央にで~んと置かれたコタツの布団を捲って必死に呼びかけるのはこの部屋の主であるスザクだ。
「お願いだから出てきてよ・・・。もう二日も君に触れてないんだよ!」
情けない声で頭を下げるスザクの前にはコタツのオレンジ色の光の中で優雅に寝そべる黒猫。
すっかりコタツを気に入ったルルーシュはその中から出てくることがほとんど無くなった。
もちろんご飯の時などは出てくるのだが、コタツの温もりを知ってしまうと外に出るのがよっぽど嫌になったらしく、さっさと食べ終え、素早く中に戻っていってしまうのだ。
その素早さときたら目を見張るものがあった。
初めてその様子を見た時スザクは唖然として、「君、そんなに早く走れたんだね・・・。」と思わず言葉を洩らし、コタツに入れた足を思い切り噛まれた。
「ルルーシュ、ほら猫じゃらし!ね、遊ぼうよ~。」
ブンブンと新しく買ってきた猫じゃらしをルルーシュの鼻先で振ってみるが、「ふん、馬鹿が。そんなものでつられるほど俺は安くない。」とでも言いたそうに宝石のような紫色の瞳で横目でチラリと見ると、また体を丸めてしまう。
「うぅぅ。ルルーシュ・・・。」
あまりにもつれない態度に、スザクは諸悪の根源であるコタツを恨んだ。
しかしこれを気に入っているルルーシュの手前、撤去するわけにもいかずスザクは泣いた。
「よっ、スザク!ってお前凄い顔してるけど、まさかルルーシュに何かあったのか?」
翌日登校したスザクの肩に懲りずに腕を回してそう言ったのはジノだ。
今のスザクにはジノの気楽そうな顔も、わけもなく揺れる三本の三つ編みすらも苛立たしいことこの上なく、乱暴に腕を振り払った。
「別に。ルルーシュは元気だよ。そう、元気さ。何せコタツがあるからね!」
「コタツ?何だそれ?」
「ああ、ジノは知らないのか。日本の暖房器具だよ。」
そこから何故かコタツについての説明を延々とさせられ、気がつけばジノの目がキラキラと輝いていた。
「私もそのコタツに入ってみたいな!日本にいるからには日本の伝統を体験しなくちゃな!」
「いや、別にコタツはそんな大層なものじゃないと思うけど・・・。」
スザクの突っ込みはジノの前では意味を成さず、いつの間にか放課後ジノが家にくることになっていた。
「これがコタツか!机と布団が一緒になっているとは、なかなか新しい発想だな。日本は狭いから、ええっと、一石二鳥って奴か?」
「ジノってナチュラルに失礼だよね。それはそうと・・・。ルルーシュ?いる?」
布団を捲ると、いつもと変わらずルルーシュが寝ていた。
捲られた所から入ってくる冷たい外気が気に入らないのか、薄目で睨まれた。
「ごめんね。今日はジノが来てるんだ。ちょっとっていうかかなり五月蠅いと思うけど許してね。」
「相変わらずスザクはルルーシュの前では人格が違うなぁ。ま、面白いからいいんだけど。じゃあ、失礼するよ。」
一応住民であるルルーシュに挨拶をしてからジノはコタツに足を入れた。
「へえ!これはなかなかいいな。さすがルルーシュが気に入るだけのことはあるな。」
「でしょ?」
少し得意気に答えたスザクだった。
何だかんだ言いながらも楽しく話しているうちに夜になってしまい、金曜日ということもありジノはスザクの家に泊まることになった。しかしその間ルルーシュがコタツから出てくることはなく、スザクは幾度となく溜息を洩らしたのだが。
「じゃあ、おやすみ~。」
「おやすみ。ルルーシュもお休み。いい夢をね。」
前半は素っ気なく、後半はチョコレートよりも甘く囁いた。
少し前までは一緒のベッドで寝てくれていたのに・・・という情けない声は友情のために聞かなかったことにしてやろうと目を瞑ったジノだった。
夜中にふと喉が渇き目が覚めたジノは月明かりに照らされた光景を見て、思わず口元が緩んだ。
大きなベッドで不思議な寝相で寝ているスザクの腕の中にちょこんと収まる艶やかな黒色。
「愛されてるなぁ、スザクの奴。」
小さく呟いたつもりだったが、その声でルルーシュは目を覚ましてしまったようだ。
ぱちりと大きな瞳を開きベッドの横に立つジノに気がつくと、「スザクには黙っていろよ?」という目線を送ってきた。
その吸い込まれそうに美しい瞳を見てジノは笑って答えた。
「イエス・ユア・マジェスティ!」
“ブリタニア種をよく知ろう!” 出版キャメロット 著ミレイ・アッシュフォード
「ブリタニア種はよほどその人間を信用しない限り、ともに寝ることはありません。
強要することは過度なストレスの原因となりますので、絶対にしないで下さい。
彼らの信用を得るような行動を取り、彼らから寄ってくれるまで気長に待ちましょう。
しかしブリタニア種は気位が高く警戒心も高いので、寄り添って寝てくれることなど滅多にないことですので、あまり期待しないほうがいいでしょう。」
スザクが寝入ってからこっそりとベッドにもぐりこんでいたるるーしゅ。
コタツの暖かさよりもスザクの体温の方がいいんだ!
それを知らないスザクさんは明日もるるーしゅに必死に呼びかけますが
ツーンとされることでしょう(笑)
スザクが寝入ってからこっそりとベッドにもぐりこんでいたるるーしゅ。
コタツの暖かさよりもスザクの体温の方がいいんだ!
それを知らないスザクさんは明日もるるーしゅに必死に呼びかけますが
ツーンとされることでしょう(笑)
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