次回更新の内容があまりにも鬼、悪魔なので
どうにかサイトの雰囲気を明るくしようと足掻いてみた結果ルル猫を投下することにしました☆
ご、誤魔化せてますでしょうか??
意外と長くなってしまったので、前編・後編に分けます。
後編は明日できればいいかな?と思います。
妄想力を提供して下さった名誉会長様、ありがとうございました!
スザクとルル猫とコタツ③と被害者/前編
「ちょっとジノ、アレ何とかしてくれない?」
「ん?アレ?」
カレンがビシっと突き出した指先を追うと、そこには携帯の画面に至宝の宝石を前にしているかのように熱心な視線を送りながらも何度も溜息をついて項垂れているスザクの姿があった。
「スザクは何をしているんだ?」
純粋な質問を投げかけると、眉を吊り上げたカレンに自慢の三つ編みを引っ張られた。
「見てわからない?あのスザクがあんなに気持ち悪くなる原因なんて一つしかないじゃない!」
「あ~、ルルーシュか。」
「そうよ!!」
「それで?話が見えてこないんだけど。」
ルルーシュが関わると人格が変わることは今に始まったことじゃない。
何を今更とジノは首を傾げる。
「だ・か・ら、またルルーシュと何かあったらしくてアイツ全然使えないのよ!これからクリスマスパーティーの準備で生徒会は大忙しだっていうのに、朝から暇さえあれば携帯を見つめて溜息ばっかり!役に立たない上に気持ち悪いだなんて、これはもう公害よ!大体ルルーシュをスザクにあげたのはジノなんでしょう?だったらアンタが責任持って、アレを何とかしなさいよ!」
「そう言われても・・・。」
「何とかしないと、会長に言ってアンタをメインにしたイベントを作ってもらうわよ?そうね、三つ編み狩り祭りなんてどうかしら?あなたの襟元もそれでスッキリするんじゃないかしら?」
人質ならぬ髪質をとられたジノは泣く泣くスザクの席へと向かった。
スザクの席に近づくにつれて、何か聞こえてくる。
その何かを理解したくないのだが、三つ編みの存続がかかっているので恐る恐る足を進める。
「うぅ、ルルーシュ~。君は、僕よりもコタツを選ぶんだね・・・。うぅ。」
ずびっと鼻を啜る音と地を這うような唸り声が聞こえてくる。
確かにこの状態は公害と言われても仕方がないだろう。恐ろしすぎて、スザクの周り半径10メートル以内には誰もいない。
「よ、スザク!な~に見てるんだ?」
ここはあえて自然にいこうと覚悟を決めたジノはスザクの肩に腕を回し、携帯を覗きこむ。
そこらのデジカメよりもよほど性能の良いカメラを搭載した最新の携帯は、ルルーシュの姿を余すことなく撮っておきたいというスザクが最近購入したものだ。(その他にもスザクは一眼レフや高機能なカメラを購入したのだが)
「お~、やっぱりルルーシュは可愛いなぁ。でもこれはちょっと前のか?最近は可愛いけど、美人の方が合うようになってきたもんな!」
画面に映る日向ぼっこをして気持ち良さそうに寝ているルルーシュを見て、思ったままの感想を言った後顔を上げると、そこには地獄の悪鬼すら逃げ出したくなるような凶悪な目をしたスザクの顔があり、ジノは笑顔のまま固まった。
「ジノ・・・?君は一体誰の許可を得て僕のルルーシュを見ているんだい・・・?」
「えっ・・・、ええと。す、すみません!!」
この危機を回避できるような上手い言葉が見つからなかったので、とりあえずガバっと頭を下げて謝るが、一体なぜ自分がこんなに必死に謝らなければいけないのかと胸の中で嘆いた。
「はあ。ジノはうざいし、ルルーシュには触れないし、なんて散々な毎日なんだ。もういっそ冬とかいいよ。なくていいいよ。むしろ無くなればいいんじゃない?常春だったら毎日ルルーシュと日向で遊べるのに・・・。そもそも寒い意味がわからない。最近ちょっと考えてみたんだけどね、これは僕とルルーシュを阻もうとする何かの陰謀なんじゃないかって思うんだよ。」
「お~い、スザクさん?大丈夫デスカ・・?」
色々とダメなことを言っているスザクはジノの声をまるっと無視して、再び携帯の画面に向き直った。今度は動画でルルーシュが部屋の段差で可愛らしくコケている姿を見て、頬を緩めている。
「お前、相当病んでるんだな・・・。」
ここまでくるといっそ哀れになりジノは遠い目をした。
「それで、一体ジノは何の用なの?くだらないことでルルーシュ観賞を邪魔したのなら、ある程度の覚悟はしてもらわないとね。」
にっこりと素敵な笑顔で危険なことを言っているスザクにジノは冷や汗を流した。
「いや、ちょっとルルーシュのことでさ。」
「何?」
「スザクはさ、ルルーシュよりも先にいつも寝てしまうだろう?だったら今夜は試しに寝たふりをしてみたらどうだ?」
「は?」
「ほら、スザクが寝た後ルルーシュが何をしているのかとか知るいいチャンスだと思うんだよな!」
若干無理矢理感があるのは否めないが、直接言ってしまうとルルーシュとの約束を破ってしまうことになり、それがバレた場合ルルーシュに嫌われてしまうのでなるべく遠回しに言ってみたのだ。
ふうんと気のない返事を返すスザクを見て、ジノは三つ編みのためにも早くこの事態が収まることを願った。
その頃、
被害者の苦労など露知らず、スザクの宝は暖かなコタツの中で大きな欠伸をしていた。
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