忍者ブログ
ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
<< 04  2025/05  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31    06 >>
[277]  [276]  [275]  [274]  [273]  [272]  [271]  [270]  [269]  [268]  [267
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

マンマ・ミーア良かったです(*^_^*)
四季っぽくないけど、やっぱりミュージカルは見ていると元気を貰えますね!

ちょっぴり元気になった所で双子を投下(^o^)/



・鏡合わせの皇子と玩具騎士

・七夕編4

・ゼロルル+スザク


 



「もう、お遊びはほどほどになさって下さいね。」

騎士として主を窘めるが、そんな常識が通用する相手ではない。

「フン、馬鹿が。」と愉快そうに口元を歪めたのはゼロ。

「お前の遊びと」と続けるのは当然ルルーシュ。

「私達の遊びとを」

「「一緒にされては困る」」

と胸を張って堂々と言われてしまえば、スザクの貧弱な語彙では返す言葉も見つからない。
せいぜい「はあ。」と諦めたような返事をするに留まった。

「兄上も喜んでおられたし」

「紙のことなど些細なこと」

「「どうでもいい」」

『些細なこと』で顎で使われる帝国宰相は憐れと言えば憐れだが、本人も双子を喜ばすことができたら何よりも嬉しいと公言して憚らないので当人達の間では需要と供給が綺麗に成り立っているということで問題はないのだろう。

「そう、そんなことよりも」

「とっとと願い事を書くといい」

ニコリと微笑まれて手元の紙を示されたスザクは困ったように眉間を寄せた。

「う~ん、願い事ですか・・・。」

突然言われても、常に未来を夢見る5歳児ではないのだ。そう瞬時に思いつくものでもない。
しかもこんな高級な和紙に書くのだから、適当な事を書くのも何となく気が引ける。
ウンウンと唸り始めたスザクを珍獣を見るような4つの眼で見ていた双子はじきに飽きたのか、再び興味の対象を床に広げた短冊に向け、ふんわりとした絨毯の上に寝転び筆を手にする。







鏡合わせの皇子と玩具騎士  七夕編4





スザクがようやく思考の波から浮かび上がってきた時には、ゼロとルルーシュはまさしく鏡合わせのように猫のように丸めた体を向かい合わせに横たえて、すうすうと寝息を立てていた。よく見れば華奢な手は互いの指をしっかりと絡ませている。
薄いレースのカーテンから降り注ぐ柔らかな陽光の中で長い睫毛を伏せてまどろむ姿は、おとぎ話の世界に紛れこんでしまったような錯覚さえも見る者に与える。
毎日を共にしているため他の者よりも耐性がついているスザクだが、この双子の麗しさに慣れることなど永久にないだろうと思ってしまう。
美人は三日で飽きるなんて嘘だな、とスザクは主に見惚れた自分に苦笑しながら、ブランケットを持ってきて双子の上にそっと掛けた。


ブランケットを広げた拍子に周りに無数に散らばっていた短冊が風に乗ってふわりと舞いあがった。

「ん?何が書いてあるんだろう?」

こうして無造作に落ちているということは見ても問題はないだろうと判断し、短冊を拾い上げる。そしてスザクのよりもよほど流麗な日本語で書かれている『願い事』を読んだスザクは膝から脱力してしまいそうになった。
最高級の和紙に書道の手本のように書かれていたのは。

「『皇帝の髪がストレートになりますように。』って何これ・・・。」

しかも文字をよく見ると前半と後半で僅かに字体が違うので、恐らくこれも二人で一つの文を書いたのだろう。
スザクは恐る恐る他の短冊を拾い上げた。



『シュナイゼル兄上のアヴァロンみたいなのがあったらいいな。』

『10時と15時のおやつに加えてもっとお茶の時間が欲しい。』

『バケツプリンが食べたい。』

『エリア11の金魚が飼いたい。黒と赤、両方』



などなど。
散らばっている数百枚の短冊には同じような要望が書かれているに違いない。それはもう些細な可愛らしいおねだりから、一国を揺るがすような大きな願い事まで。


「クリスマスじゃないんだけどな、七夕って・・・。」


もうここまでくると口を半開きにして笑うしかない。
若干壊れたようにスザクは独り言を零した。
聡明な双ゼロとルルーシュのことだ、七夕の起源までもをきっちりと理解した上で極東の文化を誤解して豪快に受け入れる欧米人の振りをわざと演じているのだろう。それでいて、この短冊に書かれた願い事は全て叶えられることも知っているのだ。たとえ古代語のようになってしまった日本語で書かれていようと何だろうと、彼らを溺愛する者達はその願い事を叶えようと走り回ることになるのだろうから。

無邪気な仮面の被る恐ろしく計算高い主達に、スザクは感心していいのか呆れていいのか、はたまた叱るべきなのか毎度のことながら反応に困る。
ただ自分とはまるで相容れないような高度の頭脳を持ったこの双子が何故自分を騎士に選んだのか、未だにわからない。もしかしたらスザクには一生かけてもわからない謎なのかもしれない。

それでも寝息を立てる主達を見ていると勝手に頬が緩んで微笑みが零れ落ちてしまう。
何があっても最終的には「仕方ないなぁ」で済ませてしまうのだ。これも双子の計算かもしれないが、騙されたとわからないように騙す二人の高度なテクニックであれば、いっそのこと極上の美酒に酔ったように騙されたままでもいいと思う。この双子に騙されて嫌な気分になる人などいないのだ。



結局眉を下げてクスリと小さな笑みを柔らかな日差しに溶かしたスザクは、ルルーシュが握っていたであろう床の転がる筆を拾って、渡された短冊に筆を走らせた。
 


 

PR
夢を叶える名言集


presented by 地球の名言
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
ともき
性別:
女性
自己紹介:
・ルル/ー/シュ至上
・ルル/ー/シュ中毒
・一人でいる時はほとんど音楽を聴いています。
・海外に行くのが大好き。
応援しています!

Copyright (c)光のメロディーに耳を澄ませて All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by Pearl Box  Template by tsukika


忍者ブログ [PR]