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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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・皇子と騎士犬シリーズ3

・2から大分時間が経ってしまいましたね(汗)
 前のお話をすっかりぽんとお忘れかと思います。
 (1・2は日記の『皇子と騎士犬』カテゴリーの中に入っています)

・犬スザク(多分雑種)×盲目な皇子(14歳)+AGO兄上

・愛されーしゅ

・ルルーシュを愛しすぎてAGO兄上が若干変態っぽいですが、今のところ害はないと思います。

・まだあまりスザクが出てきませんが、とりあえず兄上を攻略してから出番が待っています(笑)

・AGO兄上になんと言われようともスザクを手放したくないルルーシュを前にスザクの意外な行動が・・・。



皇子
と騎士

 

「公務はどうなさったのですか、兄上?」
 
麗らかな日差しが降り注ぐ穏やかな午後、スザクにリードを着け庭に出たルルーシュを待っていたのは帝国宰相シュナイゼルだった。
ブリタニア帝国の宰相は気軽に散歩に出られるほど暇人ではない。
それをわかっているルルーシュは兄が立っているであろう場所を軽く睨むが、そんな可愛らしい抵抗などシュナイゼルはペロリと丸ごと包み込んでしまう。
 
「公務よりも大事なものがあれば、それを優先させるのは人として当然だろう?」
 
道徳の教科書のようなことを口にしているが、腹黒で名高い帝国宰相の胸の内がそんなにキレイなものであるはずがない。
しかしルルーシュという、最愛の弟を想う気持ちだけは嘘一つない。
シュナイゼルが唯一この世で執着しているのはルルーシュの存在だけなのだ。
 
「またお前の(馬鹿)犬が暴れたら困るからね。しっかりと私が見ていようと思ったのだよ。」
 
柔らかな言葉に隠されている危険なスパイスに気がついたルルーシュはリードも持つ手に力が入る。
つまりこの兄が見ている前でスザクが暴れようものなら、即刻スザクを追い出すということだろう。
お願いだから、今日だけでいいから大人しくしていてくれとルルーシュが切に願った矢先、思いきりリードを引っ張られルルーシュは体勢を崩した。昨日のことを教訓にしたルルーシュはパッとリードを放し、かろうじて転ぶことを免れた。もちろんそれは素早く抱えてくれた兄の腕のおかげでもあるのだが。
ワンワンと既に遠くに聞こえる元気な鳴き声はスザクのものだ。
ほっと息を吐いたのも束の間、上の方から聞こえてきたこれみよがしなため息にルルーシュはドキリとした。
 
「ほら、見たことだろう?あの犬はダメだよ。お前には相応しくない。明日には新しい犬をプレゼントするから、アレはあきらめなさい。実はもう候補は見繕ってあるんだ。血統書つきのゴールデンレトリーバーの利口な犬だよ。確か名前はジノだったかな。」
 
 
楽しみにしていなさいと頭を撫でた兄に、ルルーシュは見えない瞳で必死に訴えた。
 
「止めてください!スザクはもう家族なんです。役に立たないとか、能力が高くないとか、そんな理由で捨てることなど出来ません。・・・兄上だってそうでしょう?」
 
「どういう意味だい?」
 
「兄上だって眼が見えなくなった僕を捨てることはしなかった。僕は眼が見えないことをハンデにするようなことはしないつもりですが、この先兄上のお役に立とうとした時、この眼は必ず障害になるでしょう。外交に出れば、盲目というだけで甘くみられ不利になることもあるだろうし、戦闘の指揮を執ることもできない。弱肉強食のこの国では、とりわけ皇族の中では僕は弱者であり、お荷物だ。それでも兄上は僕を捨てることはなかった。・・・そんな兄上の態度を僕は今までどこか信じることができなかった。こんななんの得にもならないようなことを何故するのだろうと。でも今の僕は信じられます、兄上の愛情を。だって、今僕はスザクに対して同じように思っているのですから。スザクが教えてくれたんです。損得では割り切ることができない大事な感情を。」
 
滅多に心の内を明かさないルルーシュが紡いだ懸命な言葉をじっと聞いていたシュナイゼルはふっと苦笑を洩らした。
そんな可愛い顔でこんな可愛らしいことを言われてしまっては強いことなど言えるはずがない。
普段海千山千の狸を手玉にとる辣腕ぶりはこの弟の前ではまるで通じない。
自分の思い通りにならないことが本来ならば腹立たしいはずなのに、このゾクゾクとするような感覚は一体何なのだろう。
シュナイゼルは負けたとばかりにもう一つ苦笑をした。
仕方ないと口を開こうとした時、タッタッタと芝生を軽やかに走る音が聞こえてきた。
ふと見ればそこには口に何かを咥えてブンブンと尻尾を振るスザクがいた。
 
「おや?それは・・・。」
 
スザクが咥えているものを見たシュナイゼルは思わず目を見張った。
偶然なのだろうが、それにしても・・・。
 
わん!!
 
大きく吠えて位置を知らせたスザクの頭をルルーシュはしゃがんで手探りで探し当てた。
ルルーシュに優しく頭を撫でてもらったスザクは千切れそうなほど一層激しく尻尾を振る。
 
「何かいいものはあったか?」
 
そう問いかけたルルーシュの手にスザクは咥えていたものを押しつけた。
 
「?」
 
何だろうと眉を寄せながら恐る恐る触ると、スザクがパッと口から放してルルーシュの手のひらに咥えていたものを落とした。
 
「??」
 
繊細な指先から伝わるのは柔らかな感触。
暫くしないうちにハッとしたルルーシュはそっとそれを持ち上げて香りを確かめた。
 
「これは・・・。」
 
言葉を失ったルルーシュの続きを補ったのは今は亡き人々を知るシュナイゼル。
 
「ナナリーが好きだった花だね。よく君と花冠を作っていたね。」
 


4に続く

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