・スザルル義兄弟パロ
・大学生スザク×高校生ルルーシュ
・スザクさんが黒いです。
・若干二人とも病んでます。
・出来ればハッピーエンドにしたいと思っていますが、完全なハッピーエンドになるかはまだ未定ですので、ハッピーエンド以外が苦手な方はお読みにならない方がいいかもしれません。
こんな感じでもよろしければ!
スザルル義兄弟パロ
ドルチェ・ビータ1
僕には4つ歳の離れた弟がいる。
艶やかな黒絹の髪に鮮烈な紫色の瞳を持つ美しい弟だ。
僕と並んだ弟を見ると誰もが彼の美貌にポカンと間抜けな顔を晒した後、「似てないね」と口にする。
それはそうだろう。
僕と弟、ルルーシュは血のつながらない義兄弟なのだから。
「ただいま~。」
サークルの飲み会で遅くなり、終電で帰ってきた僕は小さな声で帰宅を告げた。
寝ている弟を起こしてしまう可能性があるのだから口に出さなければいいのに、僕はどうしても言わずにはいられない。
家の中は静まり返っており、やはりルルーシュは寝ているのだろうと思い小さく息を吐いた。
ルルーシュにはある『癖』がある。
それは悪癖と言えるような、彼自身を傷つける癖。
そして僕はそれを・・・。
なるべく音を立てないように気をつけながら自室の隣にあるルルーシュの部屋のドアを開ける。
「あれ、ルルーシュ。起きてたんだ。大丈夫だった?」
てっきり夢の中にいると思ったルルーシュはベッドの上に身を起こし本を読んでいた。
顔を上げたルルーシュの顔色を確認した僕は、しかしそれに気付かなかったふりをしてベッドに座りルルーシュの髪を撫でた。
「大丈夫だったから!そうやって子ども扱いするな!!俺はもう16になったんだ。」
シャンプーの清潔な香りのする指通りの良い髪から手を離したくなかったが、これ以上過剰に触れてしまえば敏い彼に自分がドロドロと抱いている気持ちを暴かれてしまうのではないかと恐れた僕は腕を引っ込めて笑った。
「うんうん。そうだねぇ、あの小さなルルーシュもこんなに美人さんになったんだもんね。僕の自慢の弟だよ。」
「だからそういう言い方が子ども扱いしてるんだって言うんだよ、バカスザク。」
憮然とした表情をしたルルーシュを思いきり抱きしめたいような衝動に駆られ、スッと身を引いてルルーシュから距離をとった。
「酷いなぁ。兄としてはいつまでたっても可愛い弟が心配なんだよ。」
にっこりと笑った僕とは対照的にルルーシュは酷く複雑そうな顔をした。
それにも気がつかないふりをしてドアへと向かう。
「父さんたちは来週帰ってくるって。」
飲み会の最中に送られてきたメールの内容を伝えると、ルルーシュはただ小さく頷いただけだった。
「だから僕来週から帰ってくる時間が遅くなるけど、大丈夫だよね?もう子どもじゃないんだもんね?」
本当は大丈夫じゃないことなんて僕は知っているのに、こういう言い方をすればプライドの高いルルーシュは頷かざるを得ないのを見越して、わざとそう言った。
「大丈夫に決まってる!スザクは俺のことなんか気にせずに遊んでくればいいだろう。」
案の定顔を僅かに頬を紅潮させて怒ったルルーシュに、僕は揺れ動く心の動きを穏やかな兄の仮面で隠した。
「じゃあお言葉に甘えて。思いきり遊んでくるよ。」
その言葉に唇を噛み締めるように黙ってしまったルルーシュの傷ついたような表情にどうしようもなく胸が熱くなった。
「なるべく早く寝なよ?おやすみ、ルルーシュ。」
フォローすることもできたが、今回はあえてそれをしなかった。
「・・・おやすみ、スザク。」
ポツリと返ってきた返事を背中に受けながら、パタンと扉を閉めた。
扉の向こうから微かに聞こえてきた苦しげな吐息に、僕はクツリと歪んだ笑みを洩らした。
悪趣味だとわかっていてもこの衝動は止められない。
思い知りたいのだ。確かめたいのだ。
あの美しい弟が僕という存在なしでは生きていけないことを。
たとえそれが彼を傷つけてしまうとわかっていても。
この衝動を理性などとカワイイものでは止めることなどできやしない。
続く