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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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・皇子と騎士犬5

・次でとりあえず兄上攻略編は終わると思います。

・犬スザク×盲目な皇子ルル(14歳)

・スザクもやれば出来る子だと信じたい。


原稿はどうした、という石を投げる代わりに拍手を頂けたら泣いて喜びますw



皇子と騎士


仕事が溜まっています!とシュナイゼルを引っ張っていったのは側近のカノンだった。
優雅に艶やかなピンク色の毛先を揺らしながらスザクを見たカノンは、

「あらあら。それが噂のワンちゃん?思っていたよりも獰猛そう。ふふっ、先が楽しみですわね、ルルーシュ殿下?」

と謳うように言って、去っていった。
目の見えないルルーシュにはスザクがどんな容姿をした犬なのかまったくわからないのでカノンの言葉に若干不安を覚えたものの、ふわふわとした体を撫でているとどうでもよくなった。
どんな姿であれ、スザクのことを愛おしく思う気持ちに変わりはない。

でも、本当のことを言えばエリア11に存在するという893な感じにあんまり目つきが悪いとかだと嫌かもしれない、と少しだけ思ったのだが。


「スザク、この花が咲いていた所に連れていってくれ。・・・僕の言うことわかってるか?」


まだ子犬には言葉を理解するのは難しいだろうかと首を傾げたルルーシュの手にスザクはリードの先を落とした。


「・・・!!良い子だ。」


しっかりとリードを持つと、ルルーシュの歩調に合わせるようにゆっくりと先を進むスザクの後についていった。もちろん自分たちの後ろにジェレミアを含めた何人かの護衛がついてくるのを気配で確認しながら、しばらく散歩を楽しんだ。
相変わらずルルーシュの世界は闇に塗りつぶされているが、それでも太陽が肌を焦がす感覚や、体を撫でていく優しい風、リードから伝わるスザクの元気いっぱいの動きに心が柔らかくなっていく。
母親たちが亡くなってから久しく感じていなかった、感じないようにしてきた感覚に、苦しいような嬉しいような複雑な気持ちが湧きあがった。

わん!

あと一秒もすれば本格的に思考の深海に飛び込もうとしていたのだが、勢い良く鳴いたスザクが立ち止まったので、ハッと意識を戻し、場所を確認するように慎重に腰を下ろす。
すると手に優しい感触がした。

「蓮華草だ。」

昔よく妹に強請られてやってきた花畑だとわかった。
決して派手ではないその花を好む自分達兄妹を『さすが下賤の血が混じっているからだ』と馬鹿にする義兄弟達がいるのを知っていた。
しかしそんなことはこの花畑で幸せそうに笑う妹と母には決して言えなかった。
言いたい奴には言わせておけばいいのだ。
そう己に言い聞かせて、どんなことを言われても耐えることのできる強い自分を演じてきたが、果たしてその『強さ』とは何だったのだろうか。
その強さを必死に身に付けたところで、誰も守ることはできなかった。
『強くある』とは一体どういうことなんだろうか。

遠い記憶に思いを馳せるようにじっとして考え込んでいるルルーシュの膝の上にスザクはよじ登って、白く柔らかな頬を小さな舌で舐め始めた。

(せっかく外で一緒にいるのに、考え事ばかりするの?どうせだったら僕のことを考えてよ!)

と云いたいようだった。

「こら、スザク。くすぐったいよ。」

始めの数秒はいいものの、あまり長く舐められるとくすぐったくて堪らない。
スザクを顔から離そうとするものの、どうしたわけかルルーシュの力ではこの子犬に敵わなかった。
そんな馬鹿な!と叫びたいような気もしたが、まあ『朱雀』なら仕方ないかと妙に納得して早々に諦める。
ふふん、どうだ僕の犬は特別なんだとどこかで得意な気持ちも生まれたのだが、それを後悔するようになるまであと数年もかからない。

二人の後ろではジェレミアが、『あの犬め!殿下の白磁の頬を無遠慮に舐めるだなんて、言語道断もいいとこ!』と心の中で奇声を上げていた。
あくまで心の中でとどめておけたのは、ジェレミアのルルーシュに対する忠誠心が為せる技としか言いようがない。

 

6に続く。

スザクの一人称を「僕」にしましたが、「俺」に変更するかも・・・。
皆さんはどちら派でしょうか?(*^_^*)
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ともき
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・ルル/ー/シュ中毒
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