ふにゃふにゃ(:_;)
お天気が悪いせいでしょうか、どうも優れませぬ。
そろそろ通販をお申込み頂いた大多数の方に本が届く頃ではないでしょうか。
可愛くない封筒を何とか可愛くしようとあがいたともきなりの努力を楽しんで頂けたらいいな、なんて^^;
もちろん中身もお楽しみ頂けますように。
さて!
いつまで続くの!?な感じの「Hey・・・8」をどうぞ(^o^)/
(す/べ/ら/な/い/話の後に読むものじゃないと思いました・・・。)
Hey・・・8
翌日スザクは耳元で流れる大音量の着信音で目を覚ました。
「ん~、うるさい・・・。」
二日酔いでガンガンと痛む頭痛を片手で押さえながらスザクは鳴り響く携帯に条件反射で何も考えずに出た。
「もしもし・・・?」
寝起きの掠れた声が情けなく響いた。
「もしもし?枢木スザクさんでいらっしゃいますか?」
聞こえてきたのは同じく掠れた、けれど元はきっと可憐なのだろうと思わせる若い女性の声だった。次第に明確になる意識の波をまったりと泳いでいたスザクは聞き覚えのない声にぼんやりと応える。
「はい、そうですけど。・・・どちら様ですか?」
「ナナリー・ランペルージと申します。ルルーシュ・ランペルージの妹です。」
「え?ルルーシュの?」
思いもよらない人物にようやくはっきりと目が覚めた。
「はい。突然申し訳ありません。失礼なのは重々承知なのですが、スザクさんにはご連絡した方が良いかと思いまして。」
「全然大丈夫。どうかしたの?」
初めて話すのだが、今まで散々ルルーシュから話を聞かされていたため初めてという感じがしなく、自分の妹に話しかけるような口調になっていた。
無意識だったのだが、なれなれしかったかなとスザクが考えた矢先、返ってきた言葉に目の前が真っ暗になった。
「兄が、亡くなりました。」
「・・・・はっ・・・?」
全く理解ができなかった。氷の塊を背中に放りこまれたように、体がピンと張り詰める。
「昨晩、眠るように息を引き取りました。」
混乱のあまり気道が詰まって、息ができなかった。
「ちょ、ちょっと待って。何の、誰の話をしているの?」
ようやく吐き出せた息とともに零れた声はみっともないくらいに震えていた。
「ルルーシュ・ランペルージ、私の最愛の兄であり、あなたの親友であるルルーシュ・ランペルージのことです。」
電話の向こうのナナリーの声も震えていた。
「兄はあなたのことをずっと待っていました。だから、葬儀の前に会いに来ては頂けないでしょうか・・・?」
その問いかけに何と答えたのか覚えていない。
気が付けば通話を終えて冷たくなった携帯が手のひらに収まっていた。
「嘘だろう・・・?」
もう夏だというのに、寒くて仕方なかった。
全身の血が凍って動きを止めてしまったように感じる。
「ねえ、嘘でしょう?」
ルルーシュ。
その名前を呼んだ瞬間、沸騰したように唯一熱い目元から涙が滲んで零れ落ちた。
震える指の先を腕に付き立ててこの悪夢から覚めようと躍起になった。
しかし腕が爪の痕で真っ赤になるほど痛めつけても、変わらない現実がそこにあった。
それでも認めたくなくて、ベッドに放り出した携帯を掴んでルルーシュの携帯に電話をかけた。
プルルルル、プルルルル。
いつもと変わらないコール音に止めていた息をほっと吐く。
きっともう少し待てばルルーシュが出るはずだ。
けれど一分が経ち、二分が経ち、固唾を呑んでいくら待っても機械音が虚しく響くだけだった。
「早く、出てよ。お願いだから。ルルーシュ、ルルーシュ!!」
嗚咽混じりの悲鳴にも似たスザクの声は部屋にきらきらと差し込む朝日の粒子に溶けて消えていった。
ねえ、君は今どんな場所にいて、何をしているの?
あの電話番号だけが宇宙に放り出されたみたいだ
9に続く