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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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皇子と騎士犬シリーズ7

・犬スザク(子犬)×盲目な皇子(14歳)


微妙な間が空いてすみませんでした・・・。
前のお話はカテゴリーの「皇子と騎士犬」に入っています・・・。


次は双子を終わらせなければ!



皇子と騎士


以来母の願い通り強くあらねばと頑張ってきたが、それは本当の『強さ』だったのだろうか。
傷ついていないふりをすることが、虚勢を張ることが、自分を偽ることが、愛する人を守る強さなのだろうか。
本当の強さとはきっと・・・。


わん!!

声がしたと思ったら、もうスザクはルルーシュの膝の上にいた。

「ちょっ!スザク、潰れてしまうよ。」

手にした完成間近の花冠をスザクから避難させる。
すると、ごめんねというように控え目に手の甲を舐められた。

「いいよ、別に、怒ってるわけじゃないから。・・・何かいいものでも見つけたか?」

ふわふわの体を優しく撫でてやれば、ぶんぶんと尻尾が揺れる音が聞こえてくる。
見えない眼にも簡単にスザクの様子が描け、ルルーシュはふっと花畑に笑いを零した。
そして膝にスザクを乗せたまま再び手を動かして、花冠を作り上げた。

「スザク、ちょっと大人しくしていてくれよ。」

軽く撫でてから、スザクの頭に完成した花冠を乗せてやる。

「この蓮華草の花言葉は、『あなたは私の苦しみを和らげる』。だからスザク、お前にこれをあげるよ。」

わん!わん!

ルルーシュには見えなかったが、スザクは嬉しそうに尻尾を振り翠の瞳を輝かせた。
そして花冠を、どういう仕組みなのか、全く落とすことなく辺りを駆けずり回る。
耳を研ぎ澄ませ、音からスザクの様子を想像するルルーシュにもスザクの喜びは向日葵のような楽しげな色となって心を明るく照らした。


守れなかった母と妹の死を無駄にしないために、強くならなければならない。
自分には再び守りたいものができたのだから。
スザクを守りたい。
きっと自分とスザクの前途には難しいことが待ちうけているだろう。
血統書付きでもなければ、珍しい種類なわけでもない、ただの拾われた犬であるスザクを馬鹿にする奴らは必ず現れるだろう。
そんな奴らにスザクを傷つけさせてなるものか。
そのために・・・。

わん!!

ひとっ走りして満足したのか、戻ってきたスザクはまた蓮華草をとってきて、それをルルーシュの手のひらに落とした。
それはまるで


『あなたは幸福です』


もう一つの花言葉をルルーシュに捧げるようだった。


「ありがとう、スザク。僕は、いや、・・・俺は強くなるよ。」

幸せを映すことを拒否した紫色の瞳にうっすらと涙を浮かべて、ルルーシュは晴れやかに笑った。
スザクを抱き上げ、その体に顔を埋めて呟く。

「強くなるよ。だから、幸せになる。俺は誰よりも幸せになってお前を守るから。」


きっと強さとは。
幸せを受け入れることなのだ。
人は不幸になるのは簡単だ。
一瞬で不幸になれる。
なんて自分は可哀想なのだと演じることも簡単だ。
だけど、そのままでは大切なものを守れない。

『ルルーシュ、考えることも大切だけど、『今』を生きることも大切よ!『今』はこの一瞬しかないのよ?なら楽しまなくちゃ!ほらほら、そんなに難しい顔をしていないで。可愛い顔が台無しよ!』

母はそう言ってよく笑っていた。
その時はなんて気楽なのだろうと幼心にも呆れていたのだが、そうじゃないのだ。
母は『強さ』を持っていたから、笑っていたのだろう。楽しんでいたのだろう。
ならば自分も笑ってやろうではないか。
今は亡き愛する人のために、今を生きる愛する人のために。
自分を犠牲にするのではなく、不幸に酔うのでもなく、幸せになる強さを持とう。

 

顔を上げたルルーシュはスザクがくれた蓮華草を耳にかけた。

「これで、お揃い。」

ニコリと笑うと、スザクも楽しげにわん!と吠える。
そんな二人を祝福するように優しい風が二人の蓮華草を撫でていった。

「二人でもっと幸せになろう。」

記憶の母が笑った気がした。


THE END
 


これはシリーズものなので、また違うお話でこの二人を書きたいなぁと思っていますが、とりあえず「AGO兄上攻略編(仮)」はこれで完結です。多分。
オレンジ君の空気感が残念なので、何とかしたい(笑)
では、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

幸せはいつでもこの手の中に。
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