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ルルへの愛を語ったり 日々のことを綴るともきの日記
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・長編SIGN 15-1

士官生スザク×声を失った皇子


あんまりにもカレンのターンが続くのでルル視点に変えてみました。
なので視点の切り替えを機会に話数も区切ろうかと。
多分このお話で15になると思います。

次でようやくスザクさん登場ですので、もう少しだけお待ち下さい^^;



ポーンと高い音と共にエレベーターのドアが開き、ルルーシュはカレンに悟られないようにと気を遣いながらも、自分の意思とは反対に体が硬く強張るのを感じた。

(大丈夫、大丈夫。何も問題はない。)

中に誰もいないことを動揺が浮かぶ紫色の瞳で確認し、喉から急速に水分がなくなっていく程に緊張している自分を必死に宥める。

「殿下?」

先に中に入りドアを開けてくれているカレンが一向に動かないルルーシュを見て不思議そうに声をかけてきた。
その水色の瞳を見て、小さく息を吐いた。

(大丈夫、俺は今ブリタニアにいるんだ。ここは・・・。)

気を抜くと頭の中に過去の幻影が浮かんできそうになるのを、手の平に強く爪を立てることで振り払い、足を一歩踏み出した。


音もなく静かに閉まったドアを前に立つカレンは、背後にいる皇子の顔色が蒼褪めていることには気が付かなかった。


SIGN15-1



何事もなく動く四角い箱は特派が居を構える階へと二人を運んだ。
エレベーターを出るとそこはいつもの特派の雰囲気ではなかった。
特派は変わり者の主任のせいで、というよりもその更に上の上司であるシュナイゼルの方針で少数精鋭で構成されているため、他の軍事を扱うフロアよりも静かで、どこかほのぼのとした雰囲気さえ漂っているのだが、ここ最近はランスロットの適合者を探すための試験を繰り返しているため人が溢れている。
スザクが試験を受ける今日も例外ではなく、たくさんの学生が廊下で待機していた。
彼らは一般の見学者ではなく仮にも士官学校の生徒であるので、騒ぎ立てるようなことはしていないが、世界で唯一の第七世代ナイトメアフレームを間近にして興奮を抑えることはできないらしく、小声で隣の者と話をしている。さざ波のように聞こえてくるサワサワとした声と若い体から発せられる熱気で、廊下は一種独特な様子を醸し出していた。

皇族専用エレベータが開いたことにより、響いていた声はドミノ倒しのように静かになっていったが、見習い騎士の証である小ぶりな剣を腰に佩いたカレンに続いて扉から出てきた漆黒の皇子に廊下に籠もっていた熱は一気に沸騰したように熱くなった。
黒絹の髪に、憂いを含んだ艶のある紫水晶の瞳、一流のダンサーのようにピンと伸びた美しい背筋。蛍光灯を反射して光る黒い編みあげブーツがカツリカツリと硬質な音を響かせる度に、学生達は陶然と膝をついて頭を下げていった。


完璧な王者のように膝まづく者を従えて堂々と歩くルルーシュの心中はというと、しかし決して穏やかではかった。
建前としては自分が開発したランスロットのパイロットテストを確かめるというものだが、実質はスザクに会いにきただけなのだ。
いつも一人きりでスザクが森に来るので失念していたのだが、試験を受ける学生は何もスザク一人ではないのだ。まさかこんなにも人がいるなど予想していなかった。
先を予測し戦術を立てることが得意なルルーシュにあるまじき失態の原因は、いつになくらしくもなく浮かれていたからなのだろう。
 

続く

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ともき
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・ルル/ー/シュ中毒
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